藤村操の名文
藤村操の作品から、よく知られた一節を集めました。
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巌頭の感
悠々たる哉天壌。遼々たる哉古今。五尺の小躯を以て此大をはからむとす。ホレーショの哲学竟に何等のオーソリチーを価するものぞ。万有の真相は唯一言にして悉す。曰く「不可解」。我この恨を懐いて煩悶終に死を決するに至る。既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし。始めて知る、大なる悲観は大なる楽観に一致するを。
1903年、華厳の滝に身を投げた一高生・藤村操が、傍らの木に書き残した遺書の全文。人生を「不可解」の一語で言い切った文面は大きな反響を呼び、明治の青年の煩悶を象徴する言葉となった。