文学用語事典
自然主義・私小説・言文一致など、日本文学を読むときに出てくる用語を、関わりの深い作品・作家と結びつけて解説します。
518語
文芸思潮
- 啓蒙主義明治初期、西洋の近代思想・学問・制度を紹介して国民の開化を促した思想運動。幕末の洋…
- 天明俳諧(中興俳諧)18世紀後半、明和・安永・天明のころ(おおよそ1764〜89年)に各地で起こった俳…
- 写実主義人間の内面や世相を、理想化や教訓を交えずにありのままに描こうとする文学上の立場で…
- 擬古典主義明治20年代(およそ1887年〜1896年)、急速な欧化への反動として日本の古典…
- 写生派対象をありのままに写し取る「写生」の理念に基づき、俳句・短歌・散文を革新した明治中…
- 浪漫主義個人の感情と自我の解放を重んじ、恋愛・理想・空想の世界を高らかにうたいあげた文芸思…
- 象徴主義19世紀後半のフランスに起こり、世紀末から20世紀初めにかけてヨーロッパの文学・芸…
- 余裕派・高踏派自然主義が人生の暗部を露悪的に告白する潮流を強めた明治末年、これと距離を置き、知性…
- 自然主義人間と社会の現実を、理想化を排してありのままに描こうとする文芸思潮。フランスのゾラ…
- 新傾向俳句明治40年代から大正初めにかけて、河東碧梧桐を中心に展開された俳句の革新運動。正岡…
- 反自然主義明治末に文壇を制した自然主義に対し、それぞれの立場から距離を取った作家・流派をまと…
- 耽美派道徳や実用よりも官能美・退廃美の享受を至上とし、耽美的な芸術至上主義を掲げた明治末…
- デカダンス「衰退」「退廃」を意味するフランス語 décadence に由来し、19世紀末のヨ…
- 白樺派明治43年(1910年)創刊の同人誌「白樺」に拠り、人道主義・理想主義・個性の尊重…
- 人道主義人間の尊厳を何よりも重んじ、人間愛にもとづいて、人種や身分を問わず人類全体の幸福を…
- 教養主義古今東西の哲学・文学・芸術の古典を読むことで人格を磨き、内面を豊かにしようとする考…
- 新現実主義大正期の文学を特徴づける傾向の一つで、自然主義のように現実をありのままに写すのでは…
- 新思潮派大正中期、第三次・第四次「新思潮」に拠った芥川龍之介・菊池寛・久米正雄・松岡譲らの…
- 大衆文学純文学に対して、広い読者層への娯楽性・通俗性を重視した大正末から昭和にかけての文学…
- 新感覚派関東大震災後の大正13年(1924年)10月、横光利一・川端康成・片岡鉄兵・中河与…
- シュルレアリスム二十世紀のフランスで、詩人アンドレ・ブルトンらを中心に展開した文学・芸術運動。超現…
- ダダイズム第一次世界大戦さなかの1916年、スイスのチューリッヒに開かれたキャバレー・ヴォル…
- モダニズム第一次世界大戦後の西欧に興った前衛的な芸術思潮と、その影響のもとに大正末から昭和初…
- 新興芸術派昭和初期、プロレタリア文学が文壇の主流となり政治性・思想性を強く求めるようになった…
- 新心理主義昭和初期、フランスのプルーストやアイルランドのジョイスら西洋前衛文学の影響のもと…
- 日本浪曼派昭和10年(1935年)3月に創刊された同人誌「日本浪曼派」と、これに拠った作家・…
- プロレタリア文学労働者・農民階級の過酷な現実と、その解放を目指す運動を描いた大正末から昭和初期にか…
- 戦後派第二次世界大戦の敗戦から昭和25年(1950年)ごろにかけて登場した、戦争と革命の…
- 無頼派太平洋戦争の敗戦直後、既成の道徳や文壇の権威への反逆を身をもって生きた作家たち。江…
- 第三の新人昭和28年(1953年)ごろから登場した戦後の新しい世代の作家たちの呼び名。野間宏…
- 新興俳句昭和初期に起こった、伝統的な俳句の約束事を超えて、新しい表現を求めた俳句運動。昭和…
- 民衆詩派大正時代の中ごろ(1910年代後半)に起こった、民衆の生活や感情を平易な言葉で歌お…
- 芸術至上主義芸術は、道徳や政治、実用などの目的に従属せず、それ自体の価値のために存在するという…
結社・団体
- 御子左家藤原道長の六男・長家に始まる家系で、平安末期から鎌倉時代にかけて和歌の師範家となっ…
- 二条派・京極派鎌倉時代中期から南北朝時代にかけて、歌の道の正統と勅撰集の撰者の座を争った和歌の二…
- 貸本屋本を客に貸して料金を取る商売、またその店や人をいう。江戸時代には木版印刷の書物が広…
- 時事新報明治15年(1882年)3月、福沢諭吉が東京で創刊した日刊新聞。当時の大新聞の多く…
- 東京日日新聞明治5年(1872年)2月、条野採菊(山々亭有人)や浮世絵師の落合芳幾らが東京で創…
- 報知新聞明治5年(1872年)、前島密らが創刊した『郵便報知新聞』を前身とする新聞。明治1…
- 明六社明治6年(1873年)、アメリカから帰国した森有礼の首唱で結成された、洋学者たちに…
- 蕉門(蕉門十哲)松尾芭蕉の門人たち、またその流れをくむ一派。芭蕉は江戸・京・近江・美濃・尾張・加賀…
- しがらみ草紙明治22年(1889年)10月、ドイツ留学から帰った森鴎外が創刊・主宰した月刊の文…
- 早稲田文学明治24年(1891年)10月、坪内逍遥が東京専門学校(現・早稲田大学)文学科を基…
- 国民之友明治20年(1887年)2月、徳富蘇峰が創刊した総合雑誌で、発行元は民友社。蘇峰の…
- 女学雑誌明治18年(1885年)7月に創刊された、女性の地位向上と教育を主張する雑誌。初代…
- 博文館明治20年(1887年)、大橋佐平が東京で創業した出版社。諸雑誌の論説を集めた『日…
- 少年世界明治28年(1895年)1月に博文館が創刊した少年向けの雑誌。「日本之少年」「幼年…
- 中学世界明治31年(1898年)9月、博文館が創刊した月刊誌。年少向けの『少年世界』より上…
- 読売新聞明治7年(1874年)に創刊された日刊新聞。当初は総ふりがな付きの平易な文章で庶民…
- 硯友社明治18年(1885年)、大学予備門の学生だった尾崎紅葉・山田美妙・石橋思案・丸岡…
- 文芸倶楽部明治28年(1895年)1月、博文館が自社の文芸諸雑誌を統合して創刊した文芸雑誌…
- 太陽明治28年(1895年)1月、博文館が創刊した日本初の本格的総合雑誌。政治・経済か…
- 新著百種明治22年(1889年)、吉岡書籍店が刊行を始めた小説の叢書。同年4月1日に第1号…
- 国民新聞明治23年(1890年)2月、民友社を率いる徳富蘇峰が創刊した日刊新聞。総合雑誌「…
- 民友社明治20年(1887年)、評論家・徳富蘇峰が郷里熊本の大江義塾の門下生らとともに東…
- 新小説春陽堂が発行した文芸雑誌。明治22年(1889年)1月に饗庭篁村らによって創刊され…
- 萬朝報明治25年(1892年)11月1日、黒岩涙香が東京で創刊した日刊新聞。紙名は「よろ…
- 我楽多文庫明治18年(1885年)、結成間もない硯友社が創刊した機関誌で、日本初の文芸同人誌…
- 都新聞明治17年(1884年)9月25日に東京で創刊された「今日新聞」を前身とする日刊新…
- 帝国文学明治28年(1895年)1月、東京帝国大学文科大学の関係者が組織した帝国文学会の機…
- 日本(新聞)明治22年(1889年)2月、陸羯南が大日本帝国憲法発布の日に創刊した日刊新聞。西…
- 根岸短歌会正岡子規が晩年を過ごした東京・根岸の子規庵で開かれた短歌会。『歌よみに与ふる書』(…
- ホトトギス明治30年(1897年)1月、正岡子規の友人・柳原極堂が松山で創刊した俳句雑誌(創…
- アララギ正岡子規が明治32年(1899年)に始めた根岸短歌会の流れをくむ短歌雑誌・結社。子…
- 心の花明治31年(1898年)2月、佐佐木信綱が創刊した短歌雑誌。初期には「こころの華」…
- 中央公論明治20年(1887年)、京都・西本願寺系の青年僧の修養団体「反省会」の機関誌「反…
- 文学界(明治)明治26年(1893年)1月創刊の月刊文芸雑誌。キリスト教系の「女学雑誌」に拠って…
- 平民新聞・平民社明治36年(1903年)に幸徳秋水と堺利彦が東京で興した結社・平民社と、その機関紙…
- 明星明治33年(1900年)4月、与謝野鉄幹が主宰する東京新詩社の機関誌として創刊され…
- 新潮明治37年(1904年)5月、新潮社の創業者・佐藤義亮が創刊した文芸雑誌。佐藤が明…
- 朝日新聞明治12年(1879年)に大阪で創刊され(大阪朝日新聞)、明治21年(1888年)…
- 木曜会明治39年(1906年)ごろ、名声が高まって増える来客が仕事の妨げになった夏目漱石…
- パンの会明治41年(1908年)12月、新詩社を離れて「スバル」に拠った木下杢太郎・北原白…
- スバル明治42年(1909年)1月、前年11月に廃刊した「明星」の後を受けて創刊された文…
- 龍土会明治30年代後半、東京・麻布の西洋料理店「龍土軒」を定例の会場とした文学者たちの懇…
- 文章世界明治39年(1906年)3月、博文館が創刊した文芸雑誌。当初は青年に実用的な文章作…
- 層雲明治44年(1911年)4月に荻原井泉水が創刊した俳誌。はじめは河東碧梧桐と協力し…
- 三田文学明治43年(1910年)5月、慶應義塾大学部文学科の刷新にあたり、幹事の石田新太郎…
- 青鞜明治44年(1911年)9月、平塚らいてうら5名の発起人による青鞜社が創刊した、日…
- 婦人公論大正5年(1916年)1月、中央公論社が創刊した女性向けの総合雑誌。前身にあたる雑…
- 婦人倶楽部大正9年(1920年)10月、野間清治のひきいる講談社(のちの大日本雄辯會講談社)…
- 奇蹟(同人誌)大正元年(1912年)9月に創刊され、翌大正2年(1913年)5月まで続いた文芸同…
- 白樺明治43年(1910年)4月創刊、大正12年(1923年)8月まで続いた文芸・美術…
- 新思潮明治40年(1907年)、小山内薫が創刊した文芸雑誌。第一次はヨーロッパの新しい演…
- 感情大正5年(1916年)6月、萩原朔太郎と室生犀星がみずから感情詩社を興して創刊した…
- 岩波書店大正2年(1913年)、岩波茂雄が東京・神田に開いた古書店に始まる出版社。値引きの…
- 週刊朝日大正11年(1922年)2月、朝日新聞社が「旬刊朝日」として創刊し、同年4月から週…
- サンデー毎日大正11年(1922年)4月2日、大阪毎日新聞社が創刊した週刊誌。同年2月に創刊さ…
- 少年倶楽部大正3年(1914年)11月、大日本雄辯會(のちの講談社)が創刊した少年向けの月刊…
- 赤い鳥大正7年(1918年)7月1日、鈴木三重吉が創刊した童話・童謡の児童雑誌。子どもに…
- 新青年大正9年(1920年)1月、博文館が創刊した青年向けの月刊娯楽雑誌。初代編集長は森…
- 改造大正8年(1919年)4月、山本実彦の改造社が創刊した総合雑誌。第一次世界大戦後の…
- 大阪毎日新聞大阪で発行された日刊新聞で、東京の姉妹紙「東京日日新聞」(現在の毎日新聞の前身)と…
- 文藝春秋大正12年(1923年)1月、作家・菊池寛が私財を投じて創刊した月刊雑誌。文壇の枠…
- 講談倶楽部明治44年(1911年)11月、野間清治の率いる大日本雄辯會(のちの講談社)が創刊…
- オール讀物昭和5年(1930年)7月、菊池寛の文藝春秋社が「文藝春秋」の臨時増刊「オール讀物…
- 苦楽大正13年(1924年)1月号から昭和3年(1928年)まで、大阪のプラトン社が発…
- 講談雑誌大正4年(1915年)、博文館が創刊した大衆娯楽雑誌。講談速記者の今村次郎が主宰し…
- 女性(プラトン社)大正11年(1922年)5月、大阪のプラトン社が創刊した女性向けの雑誌。プラトン社…
- 文芸時代大正13年(1924年)10月、川端康成・横光利一・片岡鉄兵・中河与一・今東光・佐…
- 青空(同人誌)大正14年(1925年)1月、梶井基次郎・中谷孝雄・外村繁ら東京帝国大学の学生を中…
- 山繭大正13年(1924年)12月に創刊された同人雑誌。同人誌『青銅時代』から分かれた…
- 若草大正14年(1925年)10月、宝文館が創刊した文芸雑誌。同社の少女雑誌「令女界」…
- 作品(雑誌)昭和5年(1930年)5月号から昭和15年(1940年)4月号まで、全120冊が刊…
- 詩と詩論昭和3年(1928年)9月、厚生閣書店から創刊された季刊の詩誌。春山行夫を中心に…
- 四季昭和8年(1933年)5月、堀辰雄が季刊誌として創刊した詩誌。2冊で途絶えたが、昭…
- キング大正14年(1925年)1月、講談社(大日本雄辯會講談社)の社長・野間清治が創刊し…
- 日本文藝家協会小説家、劇作家、評論家、詩人など文筆家の権利を守り、相互に助け合うための職能団体…
- 日本ペンクラブ昭和10年(1935年)11月に創立された、作家・詩人・評論家などの国際的な文学団…
- 種蒔く人大正10年(1921年)2月、秋田県の土崎で小牧近江・金子洋文・今野賢三らが創刊し…
- 戦旗昭和3年(1928年)5月、日本プロレタリア芸術連盟と前衛芸術家同盟が合同して結成…
- 文芸戦線大正13年(1924年)6月、関東大震災の混乱で廃刊した「種蒔く人」の同人たちが再…
- 現代文学(雑誌)昭和15年(1940年)1月、同人雑誌「槐(えんじゅ)」を引き継いで創刊された文芸…
- 文學界(昭和)昭和8年(1933年)10月、小林秀雄・武田麟太郎・林房雄・川端康成らを同人として…
- 日本文学報国会昭和17年(1942年)5月、情報局の指導のもとで結成された文学者の戦時組織。会長…
- 近代文学(同人誌)昭和21年(1946年)1月に創刊された文芸の同人誌。荒正人、平野謙、本多秋五、埴…
- 展望(雑誌)昭和21年(1946年)1月、筑摩書房が創刊した総合雑誌。編集長の臼井吉見のもとで…
- 人間(雑誌)「人間」を名のる文芸雑誌は、大正期と戦後に二つある。大正期の「人間」は、大正8年(…
- 群像講談社が昭和21年(1946年)10月に創刊した月刊の文芸雑誌。大衆雑誌の出版社と…
- 少年(光文社)昭和21年(1946年)11月、光文社が創刊した少年向けの月刊誌。戦後の少年雑誌を…
- 小説新潮昭和22年(1947年)9月号を創刊号として、新潮社が刊行を始めた月刊の小説雑誌…
- ヒッチコック・マガジン昭和34年(1959年)に宝石社が創刊した月刊のミステリ雑誌。アメリカの同名誌の日…
- 宝石(雑誌)昭和21年(1946年)4月、岩谷書店が創刊した探偵小説の専門誌。編集主幹は城昌幸…
- ナップ・ナルプ昭和初期のプロレタリア文学運動を担った組織。プロレタリア文学の団体は大正末から理論…
- 少女の友明治41年(1908年)に実業之日本社が創刊した少女向けの月刊誌。題字は若き日の北…
- 青空文庫著作権の保護期間が満了した作品や、著作者が公開を認めた作品を、インターネット上で無…
文体・技法
- 万葉仮名漢字の音や訓を借り、その字の意味とは切り離して日本語の音を書き表した表記法。仮名が…
- 詞書和歌の前に置き、歌の題、詠まれた時や場所、贈答の相手、その場の事情などを説明する文…
- 題詠あらかじめ決められた題に従って詩歌を作ること。また、その作品。和歌だけでなく、漢詩…
- 定家仮名遣い鎌倉時代初めに藤原定家が定めたとされる仮名の使い分けと、それを増補して中世から近世…
- 序破急物事の展開を、ゆるやかな導入の「序」、変化に富んで展開する「破」、速く盛り上がって…
- 道行旅の道筋を、地名や景色を連ねながら美しい文で述べる文章。もとは謡曲や軍記物語に見ら…
- 和漢混淆文和文(かな文)と漢文訓読の語法・語彙とを融合させた文体。優美で情緒に富む和文と、力…
- 句切れ短歌の途中で、意味や文の流れがいったん切れる箇所。また、その切れ方。五句のどこで切…
- 枕詞和歌で、特定の語を導き出すためにその前に置かれる決まり文句。原則として五音から成り…
- 字余り短歌・俳句などの定型詩で、句の音数が定められた五音・七音より多くなること。また、そ…
- 序詞和歌で、ある語や句を導き出すために前に置かれる、二句以上の長い前置き。枕詞と役割は…
- 掛詞一つの言葉に、同音の二つの意味を重ねて表現する、和歌を中心とした修辞技法。「松」に…
- 見立てある物を、姿や様子の似た別の物になぞらえて表現する技法。和歌では、降る雪を花と見…
- 縁語一首のなかに、意味の上で関わりの深い語をいくつも散らして響き合わせる、和歌の修辞技…
- 折句和歌・俳句などで、物の名や地名などの文字を一字ずつ各句の頭に置いて詠む技法。また…
- 物名和歌の詠み方の一つで、歌の意味とは関わりなく、物の名を歌のなかに隠して詠み込むもの…
- 本歌取りよく知られた古歌(本歌)の語句を意識して取り入れ、もとの歌の情景や余情を背景に重ね…
- 歌枕和歌によみこまれてきた由緒ある地名。もとは和歌に用いる語句や、それらを集めた書物(…
- 付合連歌・俳諧で、先にある句に次の句を付けること、またはその二句の結びつき。先の句を前…
- 切れ字俳諧・俳句で、句の途中や末尾に置いて、言葉を言い切り、余韻や感動を生む働きをする語…
- 季語俳句で、季節を表すものとして約束された言葉。「雪」は冬、「月」は秋、「花」は春とい…
- 七五調・五七調五音と七音の句を組み合わせて繰り返す、日本の韻文の基本となる音数律。五音・七音の順…
- 破調短歌や俳句などの定型詩で、基準となる音数や調べから外れること。五七五七七を基本とす…
- 軽み松尾芭蕉が晩年に重んじた俳諧の考え方。「かろみ」とも読む。身近な生活や日常の事物を…
- 押韻詩歌の一定の位置に、同じ、または似た響きをもつ語を配すること。「韻を踏む」ともいう…
- 擬古文後の時代の人が、王朝の物語や日記などの古典の文体をまねて書いた文語文。江戸時代には…
- 文語体平安時代の言葉(古典語)の文法を基盤とする書き言葉の文体で、話し言葉に基づく口語体…
- 言文一致書き言葉と話し言葉とを近づけ、話すように書く新しい文体を確立しようとした、近代日本…
- 雅俗折衷地の文には和文脈の雅語(雅文)を、会話には日常の俗語を用いるなど、優美な文語と平俗…
- 翻案外国の作品や古典の筋立てを借り、人物・舞台を自国や同時代に置き換えて作り直す創作の…
- 翻訳外国語で書かれた作品を、原作の意味・表現に即して自国語へ移し替えること。原作の筋を…
- 歴史的仮名遣い「てふてふ(蝶々)」「けふ(今日)」のように、平安時代中期以前の文献に見える仮名の…
- ト書き戯曲や脚本で、登場人物のせりふ以外に、動作、表情、登退場、舞台の状況などを記す部分…
- パロディよく知られた作品や文体の特徴を取り入れ、内容や場面を変えることによって、原作とのず…
- 女性独白体太宰治が、女性の一人称の語り(独白)によって書いた一群の小説を指す呼称。語り手の女…
- 振り仮名(ルビ)漢字の読み方を示すために、漢字の近くに小さく添える仮名。縦書きでは漢字の右側に、横…
- 変体仮名現在使われている平仮名とは別の字形の平仮名。平仮名は、万葉仮名として使われた漢字の…
- 候文文末に丁寧語の「候(そうろう)」を用いる文体。「〜に御座候」「〜下されたく候」「〜…
- 漢文訓読体漢文を日本語の語順に直して読み下す「訓読」の形に由来する文体で、漢語が多く、簡潔で…
- 現代仮名遣い現代の日本語を、おおむね今の発音にもとづいて仮名で書き表すための決まり。昭和21年…
- 伏線物語の後の展開を、あらかじめさりげなく示しておく技法。登場人物の何気ない言動や、小…
- 語り手と視点物語を語る役割を担う存在を語り手、物語がどの立場から語られるかを視点という。語り手…
- 地の文小説や物語などで、登場人物の会話や引用された歌などを除いた、説明・描写・叙述の部分…
- 枠物語ある物語の外側に、別の物語を設けて、その中でさらに物語を語る構成。外側の物語を「枠…
- 意識の流れ人間の意識が、論理的な順序とは関係なく、絶え間なく移り変わる様子をそのまま文章に写…
- 修辞法言葉の選択や組み合わせ、語順、音の響きなどを工夫し、伝えたい内容や感情を効果的に表…
- 省略法文や語句の一部を省き、言い残した部分を読み手に補わせることで、余韻や緊張感を生む修…
- 体言止め文や句の終わりを、名詞などの体言で結ぶ表現技法。用言(動詞、形容詞など)で終わる通…
- 倒置法文を構成する語句を通常とは異なる順序に置き、強調や語調の変化を生む表現技法。日本語…
- アイロニー表面に述べたことと、本当に言おうとしていることとを食い違わせる表現。反語、皮肉とも…
- 誇張法物事の大きさや程度を、実際よりもはるかに大きく、あるいは小さく言い表して、印象を強…
- 対句語の数や文法的な構造が対応する二つの句を並べる表現技法。もとは漢詩・漢文で重んじら…
- 反復法同じ語句や、意味の近い語句を繰り返して用いる表現技法。繰り返しによって意味を強め…
- 風刺社会の悪や愚かさ、権力者や世の風潮を、遠回しの言い方や誇張、笑いによって批判するこ…
- 隠喩「ようだ」「ごとし」などの比較を示す語を使わず、ある物事を別の物事として表す比喩…
- 換喩・提喩比喩のうち、似ていることによらず、物事どうしの結びつきや、概念の大小の関係を利用し…
- 擬人法動物・植物・無生物・抽象的な概念など、人間以外のものに人の行為や感情、言葉を与えて…
- 直喩ある物事を別の物事にたとえる際に、「ようだ」「ごとし」「似たり」などの言葉を用い…
- 比喩ある物事を、それと似た別の物事にたとえて表す表現技法。「ようだ」「ごとし」などを使…
- オノマトペ物音や動物の声を表す擬音語(擬声語)と、物事の様子や状態を表す擬態語をまとめた呼び…
形式・ジャンル
- 神話世界や国土、人間、さまざまな物事の起源を、神々の行いとして語る物語。それを伝える人…
- 風土記奈良時代、和銅6年(713年)5月の元明天皇の命によって、諸国が地方の事情を調べて…
- 倭人伝(中国正史の倭国伝)中国の正史のなかで、日本列島の人々と国々について記した部分の通称。正史とは、王朝ご…
- 古事記和銅5年(712年)に太安万侶が元明天皇へ献上した、現存最古の書物。天武天皇の命に…
- 懐風藻天平勝宝3年(751年)に成立した、日本に現存する最古の漢詩集。編者は未詳で、大友…
- 日本書紀養老4年(720年)に完成した、現存する最古の正史で、六国史の第一にあたる。舎人親…
- 記紀歌謡『古事記』と『日本書紀』に収められた歌謡の総称。「記紀」はこの二書を合わせた呼び名…
- 日本霊異記平安時代初期に、薬師寺の僧・景戒がまとめた日本最古の仏教説話集。正式な書名は『日本…
- 万葉集現存する日本最古の歌集。全20巻に4500首あまりを収め、7世紀前半から天平宝字3…
- 漢詩文日本人が漢語で作った詩(漢詩)と文章(漢文)。中国から漢字とともに入った表現の様式…
- 史記前漢の司馬遷が著した、中国最初の紀伝体の通史。伝説の黄帝から前漢の武帝の時代までを…
- 長歌・反歌『万葉集』に見られる歌の形式。長歌は、五音と七音の句を交互に繰り返し、最後を五七七…
- 叙事詩神話や伝説、英雄の行為、歴史的な事件などを、筋のある物語として語る詩。個人の感情を…
- 旋頭歌和歌の形式の一つで、五七七・五七七の六句、三十八音から成る。五七七の三句(片歌)を…
- 絶句漢詩の形式の一つで、四句から成る最も短い詩体。一句が五字の五言絶句(二十字)と、七…
- 雑歌・相聞・挽歌『万葉集』で歌の内容や詠まれた場を分ける、三つの主要な部立。雑歌は「ぞうか」と読み…
- 白氏文集・長恨歌唐の詩人白居易(772〜846年、字は楽天)の詩文集。白居易自身が生前に編集を重ね…
- 律詩漢詩の形式の一つで、八句から成る近体詩。一句が五字の五言律詩(四十字)と、七字の七…
- 東歌・防人歌『万葉集』に収められた、東国の人々の歌をいう。東歌は巻十四にまとめて収められた東国…
- 勅撰和歌集天皇や上皇の命によって編まれた和歌集。醍醐天皇の下命により延喜5年(905年)に奏…
- 和歌漢詩に対して、日本語で詠む歌の総称。広くは『万葉集』に見える長歌・短歌・旋頭歌など…
- 仮名序・真名序『古今和歌集』に添えられた二つの序文。巻頭の仮名序は撰者の一人である紀貫之が仮名で…
- 古今和歌集延喜5年(905年)、醍醐天皇の命により、紀友則・紀貫之・凡河内躬恒・壬生忠岑の4…
- 屏風歌屏風に描かれた絵に合わせて詠み、屏風に貼った色紙形に書き添えた和歌。唐絵の屏風に漢…
- 部立歌集で、収める歌を内容や題材によって部類に分けること。また、その分類。『万葉集』で…
- 後撰和歌集村上天皇の命によって編まれた、二番目の勅撰和歌集。天暦5年(951年)、内裏の昭陽…
- 後拾遺和歌集四番目の勅撰和歌集。承保2年(1075年)に白河天皇の命を受けた藤原通俊が撰び、応…
- 私家集主として近世以前の、一人の歌人の和歌をまとめた歌集。家集とも呼ぶ。作者が自分で編集…
- 拾遺和歌集三番目の勅撰和歌集。撰者ははっきりしないが、花山院(花山法皇)が自ら撰んだとする説…
- 贈答歌二人の人が、互いに思いを述べてやりとりする和歌。多くは男女の間で交わされ、先に贈る…
- 百首歌一人の歌人が百首の和歌をまとめて詠み、一つの作品としたもの。一定の数を単位として詠…
- 和漢朗詠集平安時代中期、藤原公任が撰んだ詩歌集で、十一世紀初めの成立とされる。朗詠とは、漢詩…
- 小倉百人一首百人の歌人の和歌を一人一首ずつ選んだ秀歌選で、鎌倉時代前期に藤原定家が撰んだとされ…
- 金葉和歌集五番目の勅撰和歌集。白河院の命により源俊頼が撰んだ。天治元年(1124年)に最初の…
- 詞花和歌集六番目の勅撰和歌集。天養元年(1144年)に崇徳院の命を受けた藤原顕輔が撰び、仁平…
- 私撰集天皇や上皇の命による勅撰とは別に、個人などが自らの方針で複数の作者の作品を選んだ集…
- 百人秀歌藤原定家が撰んだとされる秀歌撰で、『小倉百人一首』とごく近い内容をもつ。昭和26年…
- 古来風体抄藤原俊成の歌論書。2巻。「こらいふうたいしょう」とも読み、「古来風躰抄」とも書く…
- 新古今和歌集後鳥羽院の命により編まれた勅撰和歌集で、八代集の最後にあたる。撰者は源通具・六条有…
- 千載和歌集七番目の勅撰和歌集。寿永2年(1183年)に後白河院の院宣を受けた藤原俊成が撰び…
- 神楽歌神楽の中で歌われる歌。古典文学でいう場合は、特に宮廷の御神楽に伝わる歌謡を指すこと…
- 近代秀歌藤原定家の歌論書で、承元3年(1209年)、鎌倉幕府の三代将軍源実朝の求めに応じて…
- 新勅撰和歌集九番目の勅撰和歌集。貞永元年(1232年)に後堀河天皇の命を受けた藤原定家が一人で…
- 毎月抄藤原定家の著とされる歌論書。1巻。承久元年(1219年)7月2日の日付をもつ返書の…
- 催馬楽平安時代の宮廷や貴族の宴で歌われた歌謡の一つ。地方の民謡や風俗歌などを、外来の雅楽…
- 続後撰和歌集十番目の勅撰和歌集。宝治2年(1248年)に後嵯峨院の院宣を受けた藤原為家が撰び…
- 土佐日記紀貫之が書いた、日本最古の仮名日記文学。承平4年(934年)12月に土佐守の任を終…
- 無名抄鴨長明の歌論書。鎌倉時代初め、建暦元年(1211年)以後まもなく成ったと考えられて…
- 玉葉和歌集十四番目の勅撰和歌集。伏見院の院宣により京極為兼が撰び、正和元年(1312年)に奏…
- 風雅和歌集十七番目の勅撰和歌集。北朝の光厳院がみずから撰び(親撰)、叔父の花園院が監修にあた…
- 梁塵秘抄平安時代末期に後白河法皇が編んだ今様の歌謡集。今様は当時流行した新しい歌謡で、貴族…
- 今様平安時代の中ごろから末にかけて流行した歌謡。「今様」とは「当世風」の意で、古くから…
- 五山文学鎌倉時代末期から室町時代にかけて、京都や鎌倉の五山の禅僧たちを中心に作られた漢詩文…
- 風姿花伝世阿弥が著した能楽論書で、『花伝書』『花伝』とも呼ばれる。父・観阿弥から受けた教え…
- 夢幻能能の曲の形式の一つで、死者の霊や神、草木の精など、この世のものでない存在を主人公(…
- 謡曲能の詞章、つまり能の台本の文章を、文学作品として見るときの呼び名。節をつけて謡うこ…
- 語り物節をつけて語り聞かせることを前提にした芸能・文芸の総称。文字で読むための「読み物」…
- 竹取物語平安時代初期に成立した物語で、現存する日本最古の物語とされる。作者は未詳で、成立は…
- 作り物語平安時代の物語のうち、作者が虚構の人物と筋を創作して語ったもの。和歌を中心にその由…
- 落窪物語平安時代中期に成立した作り物語。作者は未詳で、十世紀末ごろの成立と考えられている…
- 枕草子一条天皇の中宮定子に仕えた清少納言が書いた随筆。成立は長保年間(1000年前後)ご…
- 源氏物語平安時代中期、11世紀初めに紫式部が書いた長編物語。寛弘5年(1008年)の『紫式…
- 伊勢物語平安時代前期に成立した歌物語の代表作。作者は未詳で、十世紀半ばまでに現在の形になっ…
- 女房文学宮中や貴族の家に仕え、与えられた部屋(房)で暮らす女性、すなわち女房たちが書いた文…
- 物語平安時代に生まれ、かな文字による散文で語られた日本の物語文学。その始まりは、竹取の…
- 歌物語和歌を中心に据え、その歌が詠まれたいきさつを短い話として語る物語。平安時代前期から…
- 栄花物語平安時代後期に成立した歴史物語で、仮名で書かれた編年体の歴史書として最も古い。「栄…
- 歴史物語実際の歴史に基づいて、物語のかたちで書かれた作品。漢文で書かれた正史に対し、仮名文…
- 大鏡平安時代後期、11世紀末から12世紀初めごろに成立した歴史物語。作者は未詳。万寿2…
- 四鏡『大鏡』『今鏡』『水鏡』『増鏡』の四つの歴史物語をまとめた呼び名。いずれも書名に「…
- 堤中納言物語平安時代後期から鎌倉時代にかけて成立した十編の短編物語を集めた作品集。編者・個々の…
- 軍記物語中世に興った、戦乱と武士の興亡を描く物語文学。保元・平治の乱を題材とする『保元物語…
- とりかへばや物語平安時代後期に成立した作り物語。作者は未詳。権大納言に、性格が正反対の二人の子が生…
- 保元物語・平治物語平安時代末期に起きた二つの内乱を描いた軍記物語。『保元物語』は保元元年(1156年…
- 太平記南北朝時代の動乱を描いた軍記物語。全40巻(巻二十二は欠巻で、古い写本では実質39…
- 宇治拾遺物語鎌倉時代前期、13世紀前半ごろに成立したとされる説話集。編者は未詳。序によれば、源…
- 説経節中世から近世にかけて、僧が仏教の教えを説いた説経の語りが、芸能として発展した語り物…
- 幸若舞室町時代に盛んになった語り物の芸能で、曲舞(くせまい)の流れをくむ。祖とされる桃井…
- 今昔物語集12世紀前半の成立とされる、日本最大の説話集。天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(…
- 志怪と伝奇中国の文語(文言)で書かれた短い物語の二つの系譜。魏晋南北朝の時代には、超自然の出…
- 説話文学神話・伝説・昔話などの説話を書きとめ、集成した文学。平安初期に薬師寺の僧・景戒が編…
- 寓話人間の生き方や社会への批判を、別の出来事に託して示す短い物語。動物を人間のように話…
- 方丈記鎌倉時代初めの建暦2年(1212年)、鴨長明が書いた随筆。「行く河の流れは絶えずし…
- 平家物語鎌倉時代前期に成立した軍記物語。平清盛を中心とする平家一門の栄華と没落を、十二巻と…
- 蜻蛉日記平安時代中期の日記文学。作者は藤原道綱母(藤原倫寧の娘)で、天暦8年(954年)か…
- 義経記源義経の生涯を描いた軍記物語。全八巻。作者は未詳で、南北朝時代から室町時代前期にか…
- 和泉式部日記平安時代中期、和泉式部と敦道親王との恋を、百四十首余りの和歌のやり取りを軸に語る日…
- 曽我物語建久4年(1193年)5月、源頼朝が催した富士の裾野の巻狩りの場で、曽我十郎祐成・…
- 日記文学日々の出来事や心の動きを日を追って記すという形式に、文学としての表現を託した作品…
- 紫式部日記『源氏物語』の作者・紫式部が、一条天皇の中宮・彰子に仕えていたあいだの出来事を記し…
- 更級日記平安時代中期の日記文学で、作者は菅原孝標女。『蜻蛉日記』の作者・藤原道綱母は母方の…
- 十六夜日記鎌倉時代中期の紀行日記。作者は阿仏尼。藤原為家の晩年の妻であった阿仏尼が、為家の没…
- 隠者文学世俗を離れて草庵などに隠れ住んだ人々、いわゆる隠者が書いた文学の総称。草庵文学とも…
- 徒然草鎌倉時代末期、14世紀前半に兼好法師(吉田兼好)が書いたとされる随筆。序段と243…
- 随筆筆の赴くままに、見聞や感想、思索を自由な形式で書きつづる散文。『枕草子』『方丈記』…
- 紀行文旅の道中で見た風景や人事、その折々の感懐をつづった文章。古くは紀貫之が土佐から京へ…
- 上の句・下の句短歌の五句三十一音のうち、初めの五・七・五の三句を上の句、あとの七・七の二句を下の…
- 雨月物語安永5年(1776年)に刊行された、上田秋成の読本。全5巻5冊で、日本と中国の古典…
- 歌合歌人を左右二組に分け、詠んだ歌を一番ごとに組み合わせて優劣を争う、遊びであり文芸批…
- 歌学和歌の本質や作法、歌語・歌枕の意味、古歌集の注釈や本文の校訂などを研究する学問。歌…
- 歌論和歌のあり方や作り方、歌の善し悪しを論じた文章・書物。藤原浜成の『歌経標式』(宝亀…
- 評論文学・芸術・社会・人生などについて、書き手の見識を論理的に説き明かす論説文。小説や…
- 好色物井原西鶴の浮世草子のうち、色恋と遊里を主題とする作品群。西鶴の浮世草子は、好色物・…
- 町人物井原西鶴の浮世草子のうち、町人が金銭と才覚によって富を築き、あるいは失う姿を描いた…
- 御伽草子室町時代から江戸時代初期にかけて作られた、作者不詳の短編物語の総称。絵を添えた写本…
- 談義本江戸時代中期、18世紀の中ごろに江戸を中心に流行した小説の一種。僧侶の説法である談…
- 仮名草子江戸時代初期、慶長年間(1596〜1615年)ごろから、井原西鶴の『好色一代男』が…
- 黄表紙江戸時代中期の安永4年(1775年)ごろから文化年間のはじめまで流行した、絵入りの…
- 浮世草子江戸前期から中期にかけて上方で行われた、当代の世相と人間を写す娯楽小説。天和2年(…
- 合巻江戸時代後期、文化年間のはじめごろから明治初年にかけて刊行された、絵入りの長編読み…
- 好色一代男天和2年(1682年)、大坂で刊行された井原西鶴の処女作で、浮世草子の最初の作品と…
- 西遊記中国明代の長編の白話小説で、100回から成る。16世紀後半に成立し、作者は呉承恩と…
- 三国志演義中国の後漢末から三国時代の興亡を描いた長編の白話小説。元末明初の羅貫中がまとめたと…
- 洒落本江戸時代中期の戯作の一つで、遊廓などの遊所での遊びを、客と遊女の会話を中心に描いた…
- 水滸伝中国明代の長編の白話小説。北宋末の宣和年間に、宋江らが山東で反乱を起こしたという史…
- 白話小説中国で、文語(文言)ではなく当時の話し言葉(白話)にもとづく文体で書かれた小説。文…
- 好色五人女貞享3年(1686年)に刊行された井原西鶴の浮世草子。全五巻で、一巻ごとに一組の男…
- 読本絵を主とする草双紙に対して、読む文章を主とした江戸中後期の小説。中国の白話小説に学…
- 草双紙江戸で出版された、絵を主とし、その余白に文章を書きこんだ大衆的な絵入り読み物の総称…
- 日本永代蔵貞享5年(1688年)に刊行された井原西鶴の浮世草子で、町人物の代表作。全六巻三十…
- 戯作江戸時代後期、18世紀後半から江戸を中心に栄えた遊戯的・通俗的な読み物の総称。知識…
- 世間胸算用元禄5年(1692年)に刊行された井原西鶴の浮世草子で、町人物の一つ。全五巻二十話…
- 唐詩選唐代の詩を選び集めた詩集で、7巻。明の李攀竜の編と伝えられるが確証はなく、李攀竜の…
- 滑稽本江戸時代後期の戯作の一種で、庶民の日常や旅先の失敗を、会話の面白さで笑わせる読み物…
- 曾根崎心中元禄16年(1703年)5月、大坂の竹本座で初演された近松門左衛門の人形浄瑠璃。同…
- 義太夫節浄瑠璃の流派の一つで、竹本義太夫(1651〜1714年)が始めた語り物の音楽。大坂…
- 心中天網島享保5年(1720年)12月、大坂の竹本座で初演された近松門左衛門の世話浄瑠璃。全…
- 国性爺合戦正徳5年(1715年)11月、大坂の竹本座で初演された近松門左衛門の時代物の人形浄…
- 連歌複数の作者が五・七・五の長句と七・七の短句を交互によみ連ねてゆく、中世に栄えた共同…
- 東海道中膝栗毛十返舎一九の滑稽本で、享和2年(1802年)に『浮世道中膝栗毛』の名で初編が出され…
- 俳諧こっけいと機知を旨として、連歌から分かれ出た詩。和歌の伝統に縛られた連歌に対し、俗…
- 春雨物語上田秋成の晩年の作で、文化5年(1808年)に成立した短編集。『雨月物語』の約三十…
- 南総里見八犬伝曲亭馬琴が著した長編の読本で、文化11年(1814年)に刊行を開始し、天保13年(…
- 俳句五・七・五の十七音を基本とし、季語と切れ字を用いる、世界でもっとも短い定型詩。もと…
- 春色梅児誉美為永春水の人情本で、天保3〜4年(1832〜33年)に刊行された。全四編十二冊。江…
- 時代物人形浄瑠璃・歌舞伎の演目のうち、江戸時代より前の武家や公家の世界を題材とするもの…
- 歌仙(連句)連歌・俳諧で、三十六句を連ねて一巻とする形式。名称は三十六歌仙にちなむ。五七五の長…
- 北越雪譜越後の縮の仲買商・鈴木牧之が著した、雪国の暮らしと自然を記録した随筆風の地誌。初編…
- 発句連歌・俳諧の第一句をいう。五・七・五の十七音で、続く脇句(七・七)、第三句(五・七…
- 雑俳本格的な俳諧に対して、江戸時代に庶民の間で広まった、遊戯性の強いさまざまな形式の句…
- 世話物人形浄瑠璃・歌舞伎の演目のうち、同時代の町人の暮らしや市井の事件を題材とするもの…
- 前句付雑俳の一つで、出題された七・七の短句(前句)に、五・七・五の長句(付句)を付けて…
- 連句俳諧の連歌の形式で、五七五の長句と七七の短句を、複数の作者が交互に付け合って続ける…
- 川柳五・七・五の十七音でよむ、季語も切れ字も要らない口語の短詩。江戸中期に流行した前句…
- 俳文俳諧の精神や発想で書かれた散文。簡潔で含みのある文体と、洒落や機知、古典を踏まえた…
- 狂歌和歌の形式(五・七・五・七・七)を借りて、滑稽と風刺、言葉遊びを楽しむ短詩。古くか…
- 短歌五・七・五・七・七の五句三十一音からなる歌。「みそひともじ」ともいう。『万葉集』の…
- 都々逸江戸時代末期に流行した、七・七・七・五の二十六音から成る俗曲の歌詞。男女の恋愛や人…
- 心中物心中や情死を題材とした、江戸時代の人形浄瑠璃・歌舞伎・歌謡のジャンル。元禄16年(…
- 人情本江戸時代後期、文政年間(1818〜30年)から天保期にかけて盛んだった、庶民の恋愛…
- おくのほそ道松尾芭蕉の紀行文。元禄2年(1689年)春、門人の河合曽良を伴って江戸深川の庵を発…
- 韻文・散文文章を、その音の組織や形式の面から分けるときの呼び名。韻文は、音数、強弱や長短の配…
- 新体詩明治15年(1882年)刊行の『新体詩抄』(外山正一・矢田部良吉・井上哲次郎編)に…
- 政治小説明治10年代半ばから20年代はじめにかけて、自由民権運動のなかで書かれた、政治思想…
- 定型詩・自由詩定型詩は、音数、詩行の数、韻律、押韻の配列などに、伝統的な一定の型をもつ詩。短歌・…
- 抒情詩詩人自身の感情や情緒を主観的にうたい表す詩。物語を語る叙事詩、対話と行動で展開する…
- 小説神髄坪内逍遥が著した小説論で、明治18年(1885年)9月から翌19年にかけて松月堂か…
- 怪談幽霊や妖怪など、この世ならぬ怪異を題材とする物語の総称。江戸期には歌舞伎や読本・百…
- 落語一人の演者が身ぶりと声色を使い分け、滑稽噺や人情噺、怪談噺などを語り演じる、江戸時…
- お伽噺明治20年代から大正期にかけて、子ども向けに書かれ、また語られた物語の呼び名。御伽…
- 観念小説日清戦争(明治27〜28年)直後の明治28年(1895年)前後、社会の矛盾や作者自…
- 文芸時評新聞や雑誌に、その月やその時期に発表された文芸作品を取り上げて論評する文章。作品の…
- 社会小説社会の矛盾や問題を正面から取り上げ、社会批判の意図をこめて描いた小説。とくに明治3…
- 深刻小説観念小説とほぼ同時期の明治20年代の末、人間社会の暗黒や下層の人々の悲惨な現実を…
- 写生文正岡子規が俳句・短歌の革新に用いた「写生」の理念を散文に及ぼした文章。明治33年(…
- 冒険小説未知の土地への旅や漂流、探検、危険との闘いなどを主題とし、主人公の勇気と知恵による…
- 家庭小説明治30年代、新聞に連載されて幅広い読者に読まれた、家庭内の人情の機微や女性の受苦…
- 新聞小説新聞紙上に連載される小説。明治期に日刊新聞が普及すると、各紙は読者を惹きつける目玉…
- バラッド英語圏などで伝承されてきた、物語を語る歌や詩。文学では、民衆の間で口承される伝承バ…
- 新派明治中期、旧派である歌舞伎に対抗して起こった新しい演劇。明治21年(1888年)…
- ソネット十四行を基本とするヨーロッパの詩の形式。十四行詩、小曲ともいう。中世イタリアで発達…
- 象徴詩19世紀後半のフランスに興った象徴主義(サンボリスム)の流れをくむ詩。感情や観念を…
- 近代劇19世紀後半から20世紀初めのヨーロッパで生まれた、近代社会に生きる個人と、その家…
- 新劇歌舞伎や新派劇に対して、西洋近代劇の理念に基づく新しい演劇を打ち立てようとした演劇…
- 戯曲演劇の上演を前提に、登場人物のせりふとト書きで構成される文学。歌舞伎や浄瑠璃の台本…
- 悲劇と喜劇演劇の二つの大きな型。悲劇は、主人公が運命や自らの過ちによって破滅へ向かう姿を、厳…
- 私小説作者自身の実生活や内面を、ほとんど脚色せずに告白的に描く小説。「わたくし小説」とも…
- モデル小説実在の人物や実際に起きた出来事を素材にし、読者がそれと分かる形で描いた小説。作中の…
- 書簡体小説登場人物が書いた手紙(書簡)を連ねる形で物語を展開する小説。書き手が心の内をじかに…
- 切支丹物戦国時代から江戸初期にかけてのキリシタン(日本のカトリック信徒)や宣教師、禁教と殉…
- 伝説特定の土地や事物、歴史上の人物に結びつけて語り伝えられ、語り手やその周りの人々に…
- 昔話「むかしむかし、あるところに」と語り起こし、決まった結びの句で閉じる、口伝えの物語…
- 口承文芸・民話文字によらず、口から耳へと語り継がれ、歌い継がれてきた言葉の芸術の総称。日本でこの…
- ユーカラアイヌの人々が語り伝えてきた口承文芸。文字を持たない文化のなかで、節をつけて語り継…
- 花柳小説遊廓や芸者の世界、いわゆる花柳界を舞台に、遊女・芸者とその客や周囲の人々の色恋と人…
- 散文詩通常の文章のような散文形式で書かれた詩。一定の音数や押韻に従わず、一般には詩行に分…
- 口語自由詩文語と七五調などの定型に依っていた新体詩に代わり、日常の話し言葉(口語)を用い、音…
- 自由律俳句五・七・五の定型や季語の約束にとらわれず、感動をそのままの息づかいで自由な音律に写…
- 歴史小説過去の史実や実在の人物に取材し、歴史の中の人間を描く小説。近代文学では、明治天皇へ…
- 史伝史料の考証にもとづいて、歴史上の実在の人物の生涯や事績を叙述する伝記的な文学。虚構…
- 純文学娯楽性よりも芸術性に重きを置く文学、とりわけ小説を指す語。明治期には、学問のための…
- 捕物帳江戸を舞台に、岡っ引や与力が事件の謎を解く時代推理小説の形式。名は、江戸時代の町奉…
- アンデルセン童話デンマークのハンス・クリスチャン・アンデルセンが書いた童話の総称。1835年に小冊…
- グリム童話ドイツのヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟が編んだ昔話集『子どもと家庭のための昔話…
- 心象スケッチ宮沢賢治が自分の詩を呼んだ言葉。心に映ったもの(心象)を、そのとおりに書き取った記…
- 児童文学子どもを主な読者として書かれた文学の総称。童話、昔話の再話、少年少女小説、童謡や児…
- 千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)アラビア語で伝わる説話集。原題は『アルフ・ライラ・ワ・ライラ(千と一つの夜)』で…
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- ペロー童話フランスのシャルル・ペローが1697年に出した童話集『過ぎし昔の物語ならびに教訓』…
- 童謡大正7年(1918年)創刊の児童雑誌「赤い鳥」を舞台に興った、子どものための芸術的…
- 心境小説私小説の一種で、劇的な事件や赤裸々な告白よりも、日常の身辺に向き合う作者の澄んだ心…
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- 時代小説江戸期を中心とする過去の時代を舞台に、虚構の人物と物語を自由に展開する娯楽的な読み…
- 科学小説科学の知識や空想を土台に、未来社会や宇宙、発明、異星人などを描く小説。今日いう「S…
- ゴシック小説18世紀後半のイギリスで流行した、中世風の古城や修道院を舞台に、超自然の怪異と恐怖…
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- 掌編小説短編小説よりさらに短い小説。てのひらに載るほどの小説という意味で、「てのひらの小説…
- 短編小説・長編小説小説を長さによって分けた呼び名。はっきりした基準はないが、日本ではおおむね原稿用紙…
- ファルス笑劇・道化芝居を意味するフランス語 farce に由来する語。もとは中世フランスで…
- ユーモア小説人を傷つけない穏やかなおかしみを主眼とし、日常の失敗や見栄、世間とのずれを笑いに包…
- 農民文学農村に生きる人々の労働と暮らし、その苦楽をありのままに描く文学。日本近代文学では…
- 転向文学昭和8年(1933年)以降、弾圧によって共産主義の信条を捨てた作家たちが、その転向…
- 戦争文学戦争を題材とし、戦場や兵士、銃後の暮らしを描いた文学の総称。近代日本では、明治27…
- 原爆文学広島・長崎への原子爆弾投下とその後を主題とする文学。多くは被爆した書き手自身の体験…
- 中間小説純文学と大衆文学の中間に位置する小説を指す、日本独特の呼び名。敗戦後、読書人口が広…
- 風俗小説ある時代の世相や風俗、人々の暮らしぶりや人情の機微を、写実的に描くことに重きを置い…
- 教養小説主人公が人生のさまざまな経験を通して精神的に成長し、人格を形成してゆく過程を描く小…
- 少女小説少女向けに書かれた小説の総称で、明治末から大正にかけて、少女向けの雑誌とともに成立…
- 連作内容の上でつながりのある作品を、次々と書き重ねて一つのまとまりにすること。またそう…
時代区分
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- 国風文化平安時代の10世紀から11世紀にかけて、貴族の暮らしのなかで育った日本独自の文化…
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文学賞
その他
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- 末法思想釈迦の入滅後、仏の教えが正しく行われる正法、形だけが残る像法、教えそのものが衰えて…
- 古今伝授『古今和歌集』の難解な語句や歌の解釈を、師から弟子へ秘説として授けること。全巻にわ…
- 十三代集・二十一代集勅撰和歌集の区分の呼び名。延喜5年(905年)の『古今和歌集』から永享11年(14…
- 能楽論能役者が能の芸の心得や稽古の方法を、子孫や弟子のために書き記した伝書の総称。世阿弥…
- 余情言葉で直接に言い表されたことの外に、ほのかに漂って残る情趣をいう。近世までは「よせ…
- 幽玄中世の和歌・連歌・能を貫く美的理念で、言葉に表れた意味の奥に漂う、深く言い尽くしが…
- 有心中世の歌論で重んじられた美的理念で、深い心をこめて対象をとらえ、その心と詞とが一つ…
- 辞世死を前にして、この世に別れを告げるために詠む詩歌や言葉。辞世の歌・辞世の句ともいい…
- 無常観この世のいっさいは移ろいやまず、とどまることがない――仏教に由来するその「無常」の…
- 狂言能とともに演じられる、室町時代以来の喜劇。しぐさと台詞を主とする科白劇で、謡・囃子…
- 平曲琵琶法師が琵琶を弾きながら『平家物語』を節をつけて語る語り物。『徒然草』第二百二十…
- 浮世もとは「憂き世」、つまりつらく定めのない世の中を意味した語。仏教の無常観のもとで…
- 人形浄瑠璃語り物である浄瑠璃と三味線、人形芝居が結びついて成立した日本独自の人形劇。貞享元年…
- 不易流行松尾芭蕉が唱えたとされる俳諧の理念で、いつの世にも変わらぬもの(不易)と、その時々…
- 忠臣蔵元禄の赤穂事件と、それを題材にした演劇・文学の総称。元禄14年(1701年)3月…
- 歳時記俳句の季語を集めて季節ごとに分類し、解説と例句を添えた書物。「歳事記」とも書く。も…
- 遊里(廓)江戸時代に公認され、遊女屋が集まっていた区画。遊郭、廓、色里などともいう。江戸の吉…
- ますらをぶり・たをやめぶり江戸中期の国学者・賀茂真淵が、和歌の歌風を論じるのに用いた対の語。「ますらを(益荒…
- 国学江戸時代に興った、日本の古典を実証的に読み解き、そこに固有の精神を見いだそうとする…
- 義理と人情江戸時代の町人文芸の中心的な主題。義理は、世間や家、主従、恩のある相手に対して人が…
- わび・さび簡素で不足したもの、古びて枯れたもののうちに深い美を見いだす、中世から近世にかけて…
- いき(粋)江戸の町人文化、とりわけ遊里に育った美意識。垢抜けしていて張りがあり、色っぽいさま…
- 蕉風松尾芭蕉とその門人たちが築いた俳諧の作風。貞享年間(1684〜88年)に、芭蕉のも…
- 俳諧七部集松尾芭蕉とその門人たちの俳諧を伝える七つの撰集を、後世にまとめて呼んだもの。芭蕉七…
- 寛政の改革江戸幕府の老中・松平定信が、天明期の混乱を立て直すために、寛政年間(1787〜93…
- 貞門派江戸時代初期、松永貞徳(1571〜1654)が唱えた俳諧の流派。連歌から独立して間…
- 談林派延宝期(1670年代)を中心に、京都・大坂・江戸で流行した俳諧の流派で、西山宗因を…
- 天保の改革老中水野忠邦が、天保12年(1841年)から天保14年(1843年)にかけて行った…
- ロシア文学19世紀のロシアで花開いた近代文学と、その日本での受容。プーシキンに始まり、ゴーゴ…
- 没理想論争明治24年(1891年)から翌年にかけて、坪内逍遥と森鴎外のあいだで戦わされた、芸…
- 懸賞小説新聞社や雑誌社が作品を公募し、選んだ作品に賞金を与えて掲載する小説。明治中期から盛…
- 文壇作家・批評家・雑誌編集者など、文学に携わる人々のつながりがつくる社会。その成立は一…
- 同人雑誌志を同じくする者が費用を出し合い、自分たちで編集・発行する雑誌。同人誌ともいう。日…
- 月並(月並調)正岡子規が、江戸後期から明治にかけての宗匠たちの陳腐な俳句を批判して呼んだ語。もと…
- 句会俳句を作り、互いに批評し合う集まり。江戸時代の俳諧では、宗匠が句の優劣を判じる形が…
- 挿絵・口絵挿絵は本文の間に入れて内容を絵で示すもの、口絵は書物や雑誌の巻頭に置く絵をいう。江…
- 人生相渉論争明治26年(1893年)、山路愛山と北村透谷のあいだで交わされた、文学は人生に何を…
- 美的生活論争明治34年(1901年)、高山樗牛の評論「美的生活を論ず」をめぐって起こった論争…
- 社会主義生産手段の私有と自由競争が生む貧富の差を、社会全体の共同によって乗り越えようとする…
- 海潮音上田敏が明治38年(1905年)10月に本郷書院から刊行した訳詩集。雑誌「明星」を…
- 歌舞伎江戸時代のはじめ、出雲阿国のかぶき踊りに始まり、庶民の圧倒的な人気を得て大成した日…
- 能楽室町時代に大成した仮面劇「能」と、その間に演じられる喜劇「狂言」とを合わせた総称…
- 低徊趣味一つの事物に心をとどめ、あちらこちらから眺めては味わって、容易に立ち去りかねるよう…
- 高等遊民高等教育を受けながら定職に就かず、世俗の労苦を離れて暮らす人を指す、明治末から昭和…
- 破滅型・調和型私小説の作家と作品を、実生活と芸術との関わり方によって二つに分けて捉える文学史上の…
- キリスト教と文学明治以後、プロテスタントを中心とするキリスト教が近代日本の文学に与えた影響と、両者…
- 南蛮趣味室町時代末から江戸時代初めにかけてポルトガルやスペインから伝わった文物やキリシタン…
- 民俗学伝説・昔話・習俗・信仰などの民間伝承を手がかりに、名もない庶民(常民)の生活文化の…
- 大逆事件明治43年(1910年)、明治天皇の暗殺を計画したとして、社会主義者・無政府主義者…
- 無政府主義(アナーキズム)国家や政府をはじめ、あらゆる権力による支配を否定し、個人の自由と人々の自発的な協同…
- 個人主義国家や家、共同体よりも個人の価値と自由を重んじ、一人ひとりの人格と自主性を尊重しよ…
- 則天去私「天に則り私を去る」の意で、夏目漱石が晩年に理想とした境地を表すとされる語。小さな…
- 歴史其儘と歴史離れ森鴎外が大正4年(1915年)1月、短歌誌「心の花」に発表した随筆の題で、歴史小説…
- イーハトーブ宮沢賢治が作品の舞台とした架空の土地の名。故郷の岩手県をもとにした造語で、「岩手」…
- 講談軍記物語や武勇伝、政談などを、講釈師が調子をつけて語り聞かせる日本の伝統的な話芸…
- シャーロック・ホームズイギリスの作家コナン・ドイルが生んだ名探偵と、その活躍を描く小説の連作。1887年…
- 関東大震災大正12年(1923年)9月1日午前11時58分、相模湾北西部を震源として起きたマ…
- エロ・グロ・ナンセンス昭和初期の都市の大衆文化を彩った、扇情的な性の表現(エロ)、異様で猟奇的なもの(グ…
- 小説の筋論争昭和2年(1927年)、芥川龍之介と谷崎潤一郎のあいだで、小説にとって筋の面白さは…
- 文士村作家や芸術家が近くに住み集まり、互いに行き来しながら暮らした土地を指す呼び名。大正…
- 文芸復興昭和8年(1933年)ごろから10年代のはじめにかけて、文学がふたたび活気を取り戻…
- 円本1冊1円均一で文学全集などを予約販売する出版形態と、それが巻き起こした昭和初年の出…
- 発禁(発売禁止)風俗を乱す(風俗壊乱)、あるいは社会の安寧を害する(安寧秩序紊乱)とみなした出版物…
- 鎌倉文士鎌倉に住んだ作家・文学者たちを指す呼び名。明治・大正期から鎌倉を好んで住む文学者は…
- 戦時下の文学日中戦争が始まった昭和12年(1937年)から敗戦までの、統制のもとに置かれた文学…
- 第二芸術論昭和21年(1946年)、フランス文学者の桑原武夫が雑誌『世界』11月号に発表した…
- 本格と変格日本の探偵小説で、作品の傾向を二分した呼び方。論理的な推理を軸に、犯人探しの謎解き…
- 旧字・新字漢字の字体の新旧をいう語で、旧字体・新字体の略。新字体は、昭和24年(1949年)…
- 当用漢字・常用漢字日本政府が、一般の社会生活で使う漢字の目安として定めた漢字表。漢字の数を減らそうと…
- 底本文献を翻刻したり、校訂したり、訳したりする際に、もとにする本。同じ作品でも、版や刊…
- 写本手で書き写して作られた本。印刷された本(版本)に対する語で、日本では、木版印刷が広…
- 版本印刷して作られた本。刊本・板本とも書く。日本では、奈良時代の8世紀後半に作られた『…
- 校訂複数の写本や版本を比べ、誤りや異同を正して、本文を整えること。古典の本文には、写し…
- 装丁(装幀)書物の表紙・見返し・扉・函などを整えて本の外観をつくること、またその意匠。「装幀」…
- 筆名・雅号本名とは別に、文章や作品を発表するときに用いる名。筆名はペンネームともいい、雅号は…
- 文学忌作家の命日をしのぶ日を、作家の名や号、代表作、ゆかりの事物にちなんで呼んだもの。俳…
- 文学碑作家や作品をしのび、その詩歌や文章の一節を刻んでゆかりの地に建てた碑。刻まれるもの…
- 遺稿・遺作・絶筆作者の死と結びついた作品を言い分ける語。遺稿は、生前に発表されないまま死後に残され…
- 原稿用紙原稿を書くための、一字ずつ書き込む升目を刷った用紙。ふつうは縦書き用で、一行20字…
- 初出作品が最初に発表された雑誌・新聞・書物などの場所と時期をいう。近代の小説は、まず雑…
- 著作権の保護期間著作物が著作権法で守られる期間。日本では、原則として著作者の死後70年で、起算は死…