叙事詩とは

分類
形式・ジャンル
読み
じょじし

神話や伝説、英雄の行為、歴史的な事件などを、筋のある物語として語る詩。個人の感情を中心にうたう叙情詩、対話と行動を通じて展開する劇詩と並ぶ、伝統的な詩の分類の一つである。長大な韻文を典型とし、主人公の冒険や戦いを通じて、共同体の記憶や理想、世界の成り立ちを表す。ホメロスの作とされる『イリアス』『オデュッセイア』が代表例で、古くから口頭で語り継がれた神話や英雄伝説を背景に持つ。一方、その伝統を踏まえて詩人が書いた文学的叙事詩もあり、ウェルギリウスの『アエネイス』や、ダンテの『神曲』などが挙げられる。『神曲』は地獄・煉獄・天国への旅に中世キリスト教の世界観を織り込んだ作品で、本アプリには山川丙三郎訳を収録している。叙事詩は西洋だけの形式ではなく、インドの『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』や、アイヌの英雄叙事詩ユカラなどにも目を向ける必要がある。近代以降は小説にも、社会や歴史を大きく描き出す性格を指して「叙事詩的」という言い方が用いられるが、これは韻文の文学形式としての叙事詩とは区別される。

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