ユーカラとは

分類
形式・ジャンル
読み
ゆうから

アイヌの人々が語り伝えてきた口承文芸。文字を持たない文化のなかで、節をつけて語り継がれてきたもので、神が自らの体験を一人称で語る神謡(カムイユカラ)、英雄の冒険をうたう英雄叙事詩(ユカラ)、散文で語られる昔話(ウウェペケレ)などに分かれる。神謡には「サケヘ」と呼ばれる折り返しの句があり、これをくり返しながらそのあいだに本文を挟んでゆくところに、独特の調子が生まれる。「ユーカラ」という表記は言語学者・金田一京助らの紹介によって広まったもので、近年は原音に近く「ユカㇻ」とも書かれる。大正12年(1923年)に刊行された知里幸恵の『アイヌ神謡集』は、祖母たちの語る神謡十三編をローマ字で書きとめ、自ら日本語に訳した本で、アイヌ自身の手で編まれた最初のアイヌ文学の書物として名高い。「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました」に始まる序文とともに、失われゆく言葉と暮らしを今に伝えている。幸恵は原稿を書き上げた直後、十九歳で世を去った。

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