民俗学とは

分類
その他
読み
みんぞくがく

伝説・昔話・習俗・信仰などの民間伝承を手がかりに、名もない庶民(常民)の生活文化の歴史を明らかにしようとする学問。日本では柳田国男がその確立者で、岩手県遠野の佐々木喜善から聞いた郷土の伝説を格調高い文語で書き留めた『遠野物語』(明治43年)が出発点の記念碑とされる。柳田は雑誌「郷土研究」の創刊(大正2年)や民間伝承の会(のちの日本民俗学会)の結成を通じて研究を組織化し、日本民俗学の理論と方法を打ち立てた。山中の不思議な体験や神隠しの伝承を集めた『山の人生』(大正15年)、子ども向けに各地の伝説を紹介した『日本の伝説』(昭和4年)など、柳田の著作は文学としても広く読まれている。粘菌研究で世界に知られ、『十二支考』で古今東西の説話を博引旁証した南方熊楠、柳田に師事して「まれびと」論など古代研究の体系を築き、釈迢空の号で歌人としても立った折口信夫が、これに並ぶ巨人とされる。折口の学識と詩心が融合した小説『死者の書』のように民俗学は近代文学とも深く交わり、怪談や伝説の文学的な再発見にも大きな役割を果たした。

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