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日本の伝説(柳田国男)のあらすじ・登場人物

全国の不思議な言い伝えを集めて

柳田国男 1929年(昭和4年)

文字数
104,889字
読了目安
約3時間30分
表記
新字新仮名
種別
随筆

この作品について

柳田国男が、若い読者のために書いた伝説の入門書。桜や清水、椿や石にまつわる、全国に散らばる不思議な言い伝えを集め、なぜ同じような伝説が各地にあるのかという民俗学の問いへと、読者をやさしく誘う一冊である。

あらすじ

「日本は伝説の驚くほど多い国であります」——柳田国男はそう説き起こす。かつてはどの土地にも、伝説を語って聴かせる人が何人もいた。だが近頃はそうした話を喜んで聴く者が少なくなり、伝説は忘れられ、まちがえられていく。それを惜しんだ柳田が、読書好きの若い人たちのために書いたのが本書である。桜の木、清水の泉、椿、石、山の湖——全国に散らばるさまざまな言い伝えが、いきいきと語られていく。柳田がとりわけ不思議に思うのは、一つの伝説が日本国中そこにもここにも散らばっていて、どの土地の人も「自分のところで本当にあった事」と信じていることだ。そこには何か隠れた理由があるはずだが、それはまだ明らかになっていない——柳田は、その謎を解こうとする「学問上の好奇心」を、若い読者に植えつけようとする。民俗学への入り口として書かれた、やさしくも奥深い伝説の書である。

冒頭部(原文より)

再び世に送る言葉  日本は伝説の驚くほど多い国であります。以前はそれをよく覚えていて、話して聴かせようとする人がどの土地にも、五人も十人も有りました。ただ近頃は他に色々の新に考えなければならぬことが始まって、よろこんで斯ういう話を聴く者が少なくなった為に、次第に思い出す折が無く、忘れたりまちがえたりして行くのであります。私はそれを惜むの余り、先ず読書のすきな若い人たちの為に、この本を書いて見ました。

「日本の伝説」柳田国男(青空文庫)

末尾部(原文より)

 日本の文章は、一般にやや耳馴れないむつかしい言葉を今までは使い過ぎたようであります。伝説などの如く久しい間、口の言葉でばかり伝わって居たものにはどうしても別の書き現わし方が入用かと思いますが、その用意もまだ私には欠けて居たのであります。新にこの本を見る諸君に、その点も合せて注意していただかなければなりません。

「日本の伝説」柳田国男(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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