物語とは

分類
形式・ジャンル
読み
ものがたり

平安時代に生まれ、かな文字による散文で語られた日本の物語文学。その始まりは、竹取の翁と光る姫の異郷譚を描いた『竹取物語』(9〜10世紀)で、のちに『源氏物語』のなかで「物語の出で来はじめの祖」と評された現存最古の作り物語である。在原業平を思わせる男の恋の遍歴を和歌とともに綴った『伊勢物語』のような歌物語を経て、紫式部が光源氏の生涯と王朝の人間模様を五十四帖にわたって描いた『源氏物語』(11世紀初め)に至り、王朝物語は世界に類のない長編小説として頂点をきわめた。以後、物語は歴史を叙する歴史物語や、戦乱を描く軍記物語、王朝物語を慕う擬古物語へと枝分かれし、和歌と並んで古典文学の中核をなした。虚構の人物と筋によって人間の心の機微を描いたその方法は、近代小説のはるかな源流とも言える。

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