歴史物語とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- れきしものがたり
実際の歴史に基づいて、物語のかたちで書かれた作品。漢文で書かれた正史に対し、仮名文で書かれたところに特色がある。『栄花物語』『大鏡』『今鏡』『水鏡』『増鏡』の五作が代表で、このうち後の四つを四鏡とよぶ。『栄花物語』は最初の歴史物語で、赤染衛門が正編30巻を書いたとされ、宇多天皇の即位(887年)から寛治6年(1092年)までを編年体で、藤原道長の栄華を中心に後宮の側から描く。『大鏡』は万寿2年(1025年)以降の成立で、作者は未詳。文徳天皇の嘉祥3年(850年)から後一条天皇の万寿2年(1025年)までの176年を紀伝体で叙述する。雲林院で、大宅世継(190歳)と夏山繁樹(180歳)という二人の老人が思い出を語り、若侍がそれを聞くという設定が特徴的で、道長の栄華を中心に藤原氏の権力の歴史を伝える。『今鏡』は『大鏡』のあとを受けて後一条から高倉天皇までを、『水鏡』は神武天皇から仁明天皇までを、『増鏡』は後鳥羽天皇の誕生(1180年)から後醍醐天皇の帰京(1333年)までを描く。作中の挿話は、史実と合わない場合もある。