王朝文学とは
- 分類
- 時代区分
- 読み
- おうちょうぶんがく
平安時代(794年〜12世紀末)、貴族が政治と文化の中心を担った宮廷を舞台に花開いた文学の総称。中古文学ともいう。漢字を崩したかな文字の発明が、日本人の細やかな感情を自在に書きとめることを可能にし、とりわけ宮廷に仕える女性たちの手で王朝文学は爛熟した。物語では、現存最古の『竹取物語』を経て、紫式部が光源氏の生涯と王朝の人間模様を五十四帖に描いた『源氏物語』(11世紀初め)が世界にも比類ない長編小説の頂点をきわめ、随筆では清少納言『枕草子』が機知に富む鋭い観察でこれと並び立った。紀貫之『土佐日記』に始まる女流日記や、勅撰和歌集の嚆矢『古今和歌集』(905年)に結晶した優美繊細な和歌もこの時代の精華である。『源氏物語』が理想としたしみじみとした情趣「もののあはれ」は、日本人の美意識の源流として、後世の文学に深く受け継がれていった。