中世文学とは

分類
時代区分
読み
ちゅうせいぶんがく

鎌倉幕府の成立(12世紀末)から安土桃山時代までの、およそ四百年間の文学。貴族にかわって武士が台頭し、たび重なる戦乱と天災を背景に、この世の無常を見つめる仏教的な感慨が文学の基調をなした。軍記物語の『平家物語』は、平家一門の栄華と滅亡を荘重な和漢混淆文で叙事詩的にうたい、南北朝の動乱を描く『太平記』へと続いた。鴨長明『方丈記』や吉田兼好『徒然草』は、世を離れて草庵に住む隠者の目から、無常の世を生きる知恵と美意識を随筆に結晶させた。和歌では、藤原定家らが撰した勅撰集『新古今和歌集』(1205年)が、精緻で幻想的な余情の美を追求し、俊成・定家の歌論が幽玄・有心の理念を深めている。『宇治拾遺物語』などの説話集は、庶民や武士、僧の姿を生き生きと伝え、京都・鎌倉の禅僧たちは五山文学と呼ばれる漢詩文を育てた。さらに、和歌の上句と下句を複数人で連ねる連歌が貴族から庶民へと広まり、観阿弥・世阿弥の父子が幽玄の理念のもとに能を大成し、御伽草子と呼ばれる素朴な短編物語も生まれるなど、文学の担い手と表現の裾野が大きく広がった時代であった。

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