末法思想とは

分類
その他
読み
まっぽうしそう

釈迦の入滅後、仏の教えが正しく行われる正法、形だけが残る像法、教えそのものが衰えて悟りを得る者がなくなる末法という三つの時代が続くとする仏教の歴史観。日本では、永承7年(1052年)に末法の世に入ると信じられ、貴族のあいだで強い不安が広がった。折から戦乱や災害が続いたこともあって、この世の苦しみを逃れ、阿弥陀仏の力で極楽に生まれ変わろうとする浄土教がさかんになり、源信が『往生要集』(985年)で説いた念仏の教えや、藤原頼通が建てた平等院鳳凰堂(1053年)の阿弥陀堂にその信仰が表れている。鎌倉時代には、法然・親鸞らが念仏による救いを広く説いた。文学では、源平の争乱による平家の滅亡を無常の姿として語る『平家物語』や、大火・飢饉・大地震を目にして草庵に隠れ住んだ鴨長明の『方丈記』のように、この世を頼みがたいものとして受けとめる中世の無常観の背景となった。

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