平家物語とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- へいけものがたり
鎌倉時代前期に成立した軍記物語。平清盛を中心とする平家一門の栄華と没落を、十二巻と、建礼門院の出家と往生を描く灌頂巻で語る。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす」の冒頭が名高く、平忠盛の昇殿に始まる一門の興隆から、清盛の専横、治承4年(1180年)の以仁王と源氏の挙兵を経て、元暦2年(1185年)の壇ノ浦での滅亡まで、そしてその後の人びとの余生までを描く。作者は、『徒然草』第二百二十六段に信濃前司行長の名が見えるが確かではない。盲目の琵琶法師が語る平曲として広まり、語りの場で内容が増えたため、延慶本のような読み本系と、覚一本のような語り本系など、多くの異本がある。和漢混淆文の七五調を主にした響きのよい文体で、敦盛や与一、知盛といった人物の最期を描き、運命と無常の悲しみをうたいあげた。能・浄瑠璃・歌舞伎の題材となり、近代でも吉川英治『新・平家物語』などに受け継がれている。