和漢混淆文とは
- 分類
- 文体・技法
- 読み
- わかんこんこうぶん
和文(かな文)と漢文訓読の語法・語彙とを融合させた文体。優美で情緒に富む和文と、力強く簡潔な漢文訓読体の長所を併せもち、和語に漢語を交えた格調高い調子をつくる。平安末期の説話集『今昔物語集』にその早い姿が見られ、中世に入って軍記物語で大成した。『平家物語』は「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」に始まる荘重な和漢混淆文で、合戦と人間の無常を叙事詩的にうたいあげ、盲目の琵琶法師の語りにものって広く親しまれた。鴨長明が乱世の無常と草庵の閑居を澄んだ筆致でつづった随筆『方丈記』も、簡潔で緊張感のある和漢混淆文の名品として名高い。この文体は中世の説話・軍記・随筆に広く用いられ、後世の文語文の一つの規範ともなって、明治期の擬古文や漢文脈の文章にも長く影響を残した。