平曲とは
- 分類
- その他
- 読み
- へいきょく
琵琶法師が琵琶を弾きながら『平家物語』を節をつけて語る語り物。『徒然草』第二百二十六段は、後鳥羽院の時代に信濃前司行長が『平家物語』を作り、生仏という盲目の法師に教えて語らせたと伝える。南北朝時代には覚一検校(明石覚一)が語りの型を整え、応安4年(1371年)に弟子へ伝えるための正本を書き写させた。これがいわゆる覚一本で、今日読まれる『平家物語』の本文の多くはこの系統による。語り手の法師たちは当道座と呼ばれる盲人の組織に属し、その保護のもとで芸を伝えた。江戸時代には前田流・波多野流などの流派が分かれたが、現在の伝承者はきわめて少ない。「祇園精舎の鐘の声」の冒頭に代表される七五調を主とする語りは、読む文学であるとともに、耳で聴く文学として広まった。小泉八雲『耳無芳一の話』には、壇ノ浦に滅んだ平家の亡霊の前で琵琶を弾き、平家を語る盲目の法師が描かれている。