作り物語とは

分類
形式・ジャンル
読み
つくりものがたり

平安時代の物語のうち、作者が虚構の人物と筋を創作して語ったもの。和歌を中心にその由来を事実らしく語る歌物語、実在した天皇や貴族の歴史を語る歴史物語に対する分類である。『竹取物語』を最初とし、『落窪物語』のような継子いじめを軸にした話を経て、紫式部の『源氏物語』に至った。『源氏物語』の蛍の巻では、光源氏が玉鬘に、物語は史書に書かれていない人の世の真実を描くものだと語る場面があり、虚構の価値が自覚されていたことがわかる。平安時代後期には、中納言の恋と転生を描く『浜松中納言物語』や、男女を取り違えた姉弟の運命を描く『とりかへばや物語』のように、より奇想や劇的な筋をもつ作品が現れた。鎌倉時代以降には、『源氏物語』の世界を慕って書かれた擬古物語が続く。作り物語は、人物の心理を虚構の筋にのせて描く点で、近代小説の源流とされる。

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