みやびとは

分類
その他
読み
みやび

平安時代の宮廷貴族が理想とした、洗練された優美さ。「宮(みや)」から出た語で、宮廷ふう・都ふうの洗練された品のよい言動をいい、田舎ふうの素朴さを表す「ひなび」に対する。漢字では「雅」をあてる。恋愛でも、教養と礼儀をそなえた振る舞いが重んじられ、和歌や管弦、書など多くの素養が求められた。『伊勢物語』の初段では、元服したばかりの男が、奈良の春日の里で見かけた美しい姉妹に、着ていた狩衣の裾を切って歌を書き送り、語り手はこれを「いちはやきみやびをなむしける」(なんとも熱烈な風流をしたものだ)と評している。主人公の男は「みやび」を体現する人物として描かれ、風流を解する男を「みやびを(雅男)」ともいう。貴族の美意識を表す語として、情趣の深さを示す「もののあはれ」、機知のおもしろさを示す「をかし」と並んで、王朝文学の理解の鍵となる。のちには、伝統的な和歌や古典の世界を「雅」、日常の言葉や庶民の文芸を「俗」として対比する見方も生まれ、俳諧や近世の文学は、この雅と俗のあいだで新しい表現を探った。

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