女房文学とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- にょうぼうぶんがく
宮中や貴族の家に仕え、与えられた部屋(房)で暮らす女性、すなわち女房たちが書いた文学。平安時代中期、天皇の后(中宮)のもとには、教養と才能のある女性が集められ、后を中心とする華やかなサロンが営まれた。一条天皇の中宮定子に仕えた清少納言は『枕草子』を、同じく一条天皇の中宮彰子に仕えた紫式部は『源氏物語』と『紫式部日記』を、和泉式部は恋の遍歴を歌とともに語る『和泉式部日記』を残した。定子と彰子のサロンは競い合う関係にあり、『源氏物語』と『枕草子』が同じ時代に生まれた背景には、この宮廷の文化があった。女房たちは、漢字が男性の公的な文字とされた時代に、かな文字を自在に使って自らの見聞と感情を書き、仮名による散文表現を成熟させた。王朝文学の最盛期を担ったのは、この女房たちである。