枕草子とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- まくらのそうし
一条天皇の中宮定子に仕えた清少納言が書いた随筆。成立は長保年間(1000年前後)ごろとみられるが、はっきりしない。三百ほどの章段が、「山は」「すさまじきもの」「うつくしきもの」のように同じ類のものを書き並べる類聚的章段、宮仕えの出来事を描く日記的章段、四季や人の世を自由に語る随想的章段に大きく分かれる。「春は曙。やうやう白くなりゆく山ぎは」の冒頭は広く知られ、定子から「少納言よ、香炉峰の雪いかならん」と問われて御簾を高く上げた話(香炉峰の雪)は、機知と漢詩の教養を示す場面として名高い。鋭い観察と、明るく知的な「をかし」の美意識を軽やかな文で表し、しみじみとした「もののあはれ」の『源氏物語』としばしば対比される。跋文には、内大臣伊周が中宮に献上した紙をめぐり、清少納言が「枕にこそは侍らめ」と答えて紙を賜ったことが、書名の由来として語られる。定子の一家が没落していく時期に書かれながら、その暗い影は書かず、後宮の輝きだけをとどめた点にも特色がある。『方丈記』『徒然草』とともに三大随筆と呼ばれる。