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大鏡(作者不詳)のあらすじ・登場人物

雲林院の老翁が語る、藤原氏の栄華

  • 歴史
  • 古典

作者不詳 

文字数
127,279字
読了目安
約4時間15分
表記
新字旧仮名
種別
小説
舞台
  • 京都府

この作品について

平安時代後期、11世紀末から12世紀初めごろに成立したとされる歴史物語。作者はわかっていない。万寿二年(1025年)、京都の雲林院の菩提講に集まった二人の老翁、世継と繁樹が、居合わせた若い侍を聞き手に昔を語る形をとり、文徳天皇から後一条天皇まで十四代の帝の事績と、藤原冬嗣から道長に至る藤原氏の大臣たちの栄華をたどる。花山天皇が道兼にだまされて出家する夜、菅原道真の左遷と時平、道隆・道兼・道長の三兄弟の肝試しなどの場面が知られ、教科書にもよく採られる。本書は国文大観(歴史部「四鏡」、丸岡桂・松下大三郎共編、板倉屋書房、1906年)に収める八巻本の原文で、国立国会図書館が公開する底本の画像とOCRテキストを照らし合わせて校正し、収録した。

あらすじ

万寿二年(1025年)、雲林院の菩提講に出かけた語り手は、並外れて年老いた二人の翁に出会う。世継と繁樹は、同じ座にいる若い侍に請われ、今の入道殿下(藤原道長)の栄華を語るために、まず歴代の帝のことから話しはじめる。巻之一では、文徳天皇に始まり、清和・陽成・光孝・宇多・醍醐・朱雀・村上・冷泉・円融・花山・一条・三条と続いて、当代の後一条天皇までの十四代を順に語る。花山天皇が夜のうちにひそかに宮中を出て出家してしまう場面もここにある。巻之二以降は、藤原冬嗣から良房・基経・時平・忠平・実頼・師輔と続く大臣たちの列伝で、時平との対立のなかで筑紫へ流される菅原道真の歌と詩、伊尹・兼通・兼家ら兄弟の関白、道隆・道兼を経て、道長がまだ若かったころ、大極殿へ肝試しに行かされた話へと進む。巻之八では、賀茂や石清水の臨時祭のはじまりなど、さらに昔の出来事を世継と繁樹が語り足す。最後は、別の講で出会った老翁が、後一条院の崩御と、続く後朱雀院の代の宮中の話をする場面で終わる。

登場人物

冒頭部(原文より)

さいつころ雲林院の菩提講にまうでゝ侍りしかば、例の人よりはこよなく年老いうたてげなる翁二人おんなときあひて同じところにゐぬめり。

「大鏡」作者不詳(青空文庫)

末尾部(原文より)

殿の御もてなし、かたはらいたくわづらはしくて、久しく入らせ給はず。されどこの宮おはしますこそはたのもしき事なれど、今の宮に男みこうみ奉り給ひては、うたがひなきまうけの君と思しめしたることわりなり。よき女房おほく、出羽少将、小弁、小侍従などいひて、手かき歌よみなど華やかにていみじうて侍はせたまふ。

「大鏡」作者不詳(青空文庫)

名文

さいつころ雲林院の菩提講にまうでゝ侍りしかば、例の人よりはこよなく年老いうたてげなる翁二人おんなときあひて同じところにゐぬめり。

大鏡の書き出し。雲林院の菩提講で、ひどく年老いた翁二人が昔語りを始める。語り手の「私」が老人たちの語りを聞く構えで、歴史が語り出される。

原文を読む

原文はアプリに収録しています(縦書きで読めます)。底本:丸岡桂・松下大三郎 共編「國文大觀 歴史部 四鏡」(板倉屋書房、1906年)。国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている底本の画像と、同館「次世代デジタルライブラリー」のOCRテキスト(パブリック・ドメイン)をもとに、画像と照らし合わせて校正し、大鏡(巻之一〜巻之八)の本文だけを収録した(異本の注記・ルビ・巻頭の目録・巻之四の末の表は省いた)。旧字は新字に改めた(仮名遣いは底本のまま)。

底本の画像を見る

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