現代語訳 古事記(太安万侶)のあらすじ・登場人物
日本神話の源泉を現代語で
- 歴史
- 古典
- 文字数
- 95,964字
- 読了目安
- 約3時間12分
- 表記
- 旧字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
わが国最古の歴史書「古事記」を、上代文学研究の第一人者・武田祐吉が平明な現代語に訳したもの。序文によれば「古事記」は元明天皇の命により、稗田阿礼が誦み習っていた伝承を太安万侶が筆録し、和銅5年(712年)に撰上した三巻の書である。天地のはじまりと神々の生成にはじまり、イザナギ・イザナミの国生み、アマテラスの天の岩屋、スサノヲの八岐大蛇退治、オホクニヌシの国譲り、天孫降臨、そして神武天皇から推古天皇にいたる歴代天皇の物語を、神話・伝説・歌謡を交えて壮大に描く、日本神話と文学の源泉というべき古典である。変体漢文で記された原文を読む前の入り口として親しみやすい一冊。
あらすじ
「古事記」は、序文と上・中・下の三巻からなる。太安万侶による序文は、天武天皇が諸家に伝わる帝紀・旧辞の乱れを正そうとして稗田阿礼に誦み習わせ、その業を元明天皇が継いで安万侶に筆録を命じ、和銅5年(712年)に完成した経緯を記す。上巻は神代の物語である。天地の初めに現れた神々にはじまり、イザナギ・イザナミの二神が国土と神々を生み、イザナミの死とイザナギの黄泉国訪問、禊によるアマテラス・ツクヨミ・スサノヲの誕生が語られる。スサノヲの乱暴にアマテラスが天の岩屋に隠れて世界が闇に閉ざされる話、追放されたスサノヲの八岐大蛇退治、その子孫オホクニヌシの国づくりと天孫への国譲り、そして天孫ニニギの高千穂への降臨、海幸・山幸の物語へと続く。中巻は初代・神武天皇の東征にはじまり、ヤマトタケルの遠征と悲劇的な死、神功皇后の物語などをつづる。下巻は仁徳天皇以降、推古天皇までの歴代天皇の事績と、宮廷をめぐる恋や争いの説話を、多くの歌謡とともに描いて終わる。日本の神話や伝承を知るうえで重要な古典である。武田祐吉は、この難解な古典を厳密な学識にもとづき、読みやすい現代語へと移し替えている。
登場人物
- アマテラス 高天原を治める太陽の女神
- スサノヲ アマテラスの弟。八岐大蛇を退治する
- オホクニヌシ 出雲の国づくりの神。天孫に国を譲る
- 神武天皇 初代天皇
冒頭部(原文より)
わたくし安萬侶が申しあげます。 宇宙のはじめに當つては、すべてのはじめの物がまずできましたが、その氣性はまだ十分でございませんでしたので、名まえもなく動きもなく、誰もその形を知るものはございません。それからして天と地とがはじめて別になつて、アメノミナカヌシの神、タカミムスビの神、カムムスビの神が、すべてを作り出す最初の神となり、そこで男女の兩性がはつきりして、イザナギの神、イザナミの神が、萬物を生み出す親となりました。
「現代語訳 古事記」太安万侶(青空文庫)
末尾部(原文より)
妹のトヨミケカシギヤ姫の命(推古天皇)、大和の小治田の宮においでになつて、三十七年天下をお治めなさいました。戊子の年の三月十五日癸丑の日にお隱れなさいました。御陵は初めは大野の岡の上にありましたが、後に科長の大陵にお遷し申し上げました。
「現代語訳 古事記」太安万侶(青空文庫)
名文
依つて教えた通りにしましたから、その身はもとの通りになりました。これが因幡の白兎というものです。
武田祐吉訳『古事記』の「兎と鰐」。皮を剥がれた兎が大国主命の教えで治る、よく知られた因幡の白兎の話の結びだ。
山に圍まれている大和は美しいなあ。
能煩野で倭建命が故郷を偲んで詠んだ国偲び歌の結句の訳。「大和は國の中の國だ」と始まる歌を、平明な口語で伝える。
原文を読む
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