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古事記(太安万侶)のあらすじ・登場人物

日本神話の原典を読み下しで

  • 歴史
  • 古典

太安万侶 712年

文字数
81,655字
読了目安
約2時間43分
表記
旧字旧仮名
種別
小説

この作品について

和銅5年(712年)、太安万侶が元明天皇に撰上した、わが国最古の歴史書であり文学作品。稗田阿礼が誦み習っていた帝紀・旧辞を安万侶が筆録したもので、序と上・中・下の三巻からなる。天地のはじまりと神々の誕生、イザナギ・イザナミの国生み、天の岩屋、八岐大蛇退治、国譲り、天孫降臨にはじまり、神武天皇の東征、ヤマトタケルの遠征を経て、推古天皇にいたる歴代天皇の事績までを、神話・伝説・歌謡を交えて語る。本書は上代文学研究の第一人者・武田祐吉が、現存最古の写本である真福寺本を親本に校訂した書き下し文で、段ごとに校注が添えられている(角川文庫、1956年)。変体漢文で書かれた原典を、漢字仮名交じりの読み下しで味わえる。同じ武田祐吉による「現代語訳 古事記」と読み比べるのもよい。

あらすじ

太安万侶の序は、天武天皇が諸家に伝わる帝紀・旧辞の誤りを正そうと稗田阿礼に誦み習わせ、その志を継いだ元明天皇の命で安万侶が筆録し、和銅5年(712年)に献上した経緯を、格調高い漢文調で述べる。上つ巻は神代の物語である。高天原に神々が現れ、イザナギ・イザナミの二神が国土と神々を生む。火の神を生んで亡くなったイザナミを追って黄泉国を訪ねたイザナギは、逃げ帰って禊をし、アマテラス・ツクヨミ・スサノヲが生まれる。乱暴を働くスサノヲに怒ったアマテラスが天の岩屋に隠れ、世界は闇に閉ざされる。追放されたスサノヲは出雲で八岐大蛇を退治し、その子孫のオホクニヌシが国を作るが、やがて天つ神に国を譲り、ニニギが日向の高千穂に降り立つ。海幸・山幸の物語を経て、中つ巻では神武天皇が東へ攻め上って大和に都を開き、ヤマトタケルが東西の遠征のすえ伊吹山で病を得て、白い鳥となって飛び去る。下つ巻は仁徳天皇以降、推古天皇までの歴代天皇の事績と、宮廷をめぐる恋や争いの説話を、多くの歌謡とともにつづって終わる。

登場人物

冒頭部(原文より)

 臣安萬侶言さく、それ混元既に凝りしかども、氣象いまだ敦からざりしとき、名も無く爲も無く、誰かその形を知らむ。然ありて乾と坤と初めて分れて、參神造化の首と作り、陰と陽とここに開けて、二靈群品の祖となりたまひき。

「古事記」太安万侶(青空文庫)

末尾部(原文より)

 妹豐御食炊屋比賣の命、小治田の宮にましまして、三十七歳天の下治らしめしき。(戊子の年三月十五日癸丑の日崩りたまひき。)御陵は大野の岡の上にありしを、後に科長の大陵に遷しまつりき。

「古事記」太安万侶(青空文庫)

名文

ここにその妹伊耶那美の命に問ひたまひしく、「汝が身はいかに成れる」と問ひたまへば、答へたまはく、「吾が身は成り成りて、成り合はぬところ一處あり」とまをしたまひき。

国生みの段。伊耶那岐と伊耶那美が互いの体を問い合う、日本神話の始まりを告げるおおらかな問答だ。

かれ天照らす大御神の出でます時に、高天の原と葦原の中つ國とおのづから照り明りき。

天の石屋戸の段の山場。天照大御神が岩屋から引き出され、闇に沈んでいた天地に光が戻る瞬間を一文で描く。

ここに速須佐の男の命、その御佩の十拳の劒を拔きて、その蛇を切り散りたまひしかば、肥の河血に變りて流れき。

八俣の大蛇退治。酒に酔って眠る大蛇を須佐之男命が斬り散らし、肥の河が血に変わる。このあと尾から草薙の大刀が現れる。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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