作者不詳の生涯と代表作

名もなき語り部

略歴

作者の伝わらない作品をまとめるための項目。古典文学には、成立までに多くの人の手を経たり、語り継がれるうちに原形が失われたりして、誰の作かを特定できない作品が少なくない。「平家物語」もその一つで、鎌倉時代前期に成立した本作は、琵琶法師が平曲として語り伝えるなかで数多くの異本を生んだ。吉田兼好は「徒然草」第二百二十六段に、後鳥羽院の御代、信濃前司行長という学者がこれを作り、生仏という盲目の僧に語らせたのが始まりだと記しており、古来もっとも有力な手がかりとされてきたが、確証はない。名を持たない作者たちの手から生まれ、無常観と滅びの美意識を日本人の心に刻みつけた点で、こうした作品は日本文学の重要な一角を占めている。

収録作品

名文

作者不詳の名文