浪漫主義とは

分類
文芸思潮
読み
ろまんしゅぎ

個人の感情と自我の解放を重んじ、恋愛・理想・空想の世界を高らかにうたいあげた文芸思潮。18世紀末のヨーロッパに興ったロマン主義の移入で、日本では森鴎外の訳詩集『於母影』(明治22年)や小説『舞姫』(明治23年)を先駆とし、明治26年(1893年)創刊の雑誌「文学界」に拠った北村透谷・島崎藤村らによって本格化した。透谷は『厭世詩家と女性』『内部生命論』などの評論で恋愛の尊さと内部生命の自由を説いて運動の思想的支柱となり、藤村の詩集『若菜集』は青春の感傷を清新な調べにのせて近代抒情詩を確立した。与謝野晶子が官能を大胆にうたった歌集『みだれ髪』をはじめとする「明星」の短歌革新、泉鏡花の幻想的な小説、高山樗牛の情熱的な評論などにも広がり、日清戦争後の明治30年代に最盛期を迎える。日露戦争後は自然主義の台頭とともに退潮したが、その自我尊重の精神は耽美派や白樺派に受け継がれた。

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