抒情詩とは

分類
形式・ジャンル
読み
じょじょうし

詩人自身の感情や情緒を主観的にうたい表す詩。物語を語る叙事詩、対話と行動で展開する劇詩と並ぶ詩の三分類の一つで、英語のリリック(lyric)は、古代ギリシアで竪琴(リラ)に合わせてうたわれた歌に由来する。近代詩の主流をなす形式であり、日本にも和歌や今様など、心の動きをうたう詩歌の長い伝統がある。近代では、七五調の新体詩に若々しい恋情と青春のあこがれをこめた島崎藤村の『若菜集』(明治30年)が、近代の抒情詩の出発を告げる記念碑となった。大正期には萩原朔太郎が『月に吠える』(大正6年)で口語自由詩による抒情を切り開き、室生犀星は「ふるさとは遠きにありて思ふもの」の一節で知られる「小景異情」を収めた『抒情小曲集』(大正7年)で、少年の日の感傷と望郷の思いをみずみずしくうたった。昭和に入ると、三好達治の『測量船』(昭和5年)が伝統的な抒情に西欧の詩の知性を融け合わせ、詩誌「四季」に集った詩人たちとともに抒情詩の復興を担った。中原中也の遺稿詩集『在りし日の歌』(昭和13年)も、この時代の抒情を代表する一冊である。「叙情詩」とも書き、戦後は漢字の書き換えによってこの表記も広く用いられている。

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