歌論とは
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- 形式・ジャンル
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- かろん
和歌のあり方や作り方、歌の善し悪しを論じた文章・書物。藤原浜成の『歌経標式』(宝亀3年・772年)のような歌学書の先駆はあるものの、和歌の本質を正面から説いた最初のまとまった歌論とされるのは、紀貫之が『古今和歌集』に添えた仮名序で、「やまと歌は、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける」と説き起こし、歌の起源と働き、当代の歌人への批評までを述べている。以後、平安中期には藤原公任『新撰髄脳』が生まれ、歌合の場で優劣を判じる判詞を通じて批評の言葉が磨かれていった。藤原俊成は『古来風躰抄』で幽玄の美を掲げ、その子・定家は『近代秀歌』『毎月抄』で本歌取りの作法や心と詞の関係を論じている。『方丈記』の作者・鴨長明も、歌人としての見聞をつづった歌論書『無名抄』を残した。歌論は中世の連歌論や世阿弥の能楽論にも受け継がれ、作品を論じる言葉そのものを育てて、日本の文芸批評の長い伝統を作る。明治31年(1898年)に正岡子規が『歌よみに与ふる書』で『古今和歌集』を退け『万葉集』を仰いだのも、この千年の議論に連なる歌論である。