歌学とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- かがく
和歌の本質や作法、歌語・歌枕の意味、古歌集の注釈や本文の校訂などを研究する学問。歌のあり方や美を論じる歌論が文学的な批評に重きを置くのに対し、歌学は語の意味や故実を考証する学問的な性格が強い。ただし両者は重なり合っており、一冊の書物が両方の面をもつことも多い。日本で最初の歌学書とされるのは、宝亀3年(772年)に藤原浜成が著した『歌経標式』である。天暦5年(951年)に和歌所の「梨壺の五人」が『万葉集』の訓読にあたったことも、古歌を読み解く営みの早い例といえる。平安後期には源俊頼が和歌の入門書『俊頼髄脳』を著し、藤原顕季に始まる六条家では、藤原清輔が『奥義抄』『袋草紙』を、顕輔の猶子の顕昭が多くの注釈書を著して、学識を誇る歌の家となった。六条家は、藤原俊成・定家の御子左家と歌壇で張り合った。鎌倉時代初めの順徳院『八雲御抄』は、それまでの歌学を集大成した書と評される。中世には二条・京極・冷泉の各家がそれぞれの説を伝え、『古今和歌集』の解釈を秘伝として授ける古今伝授も生まれた。江戸時代には、公家の堂上歌学が中世の伝統を守る一方、それへの批判の中から、契沖らが古い文献に基づいて古典を読む方法を開き、その学風は国学へと受け継がれた。