国学とは

分類
その他
読み
こくがく

江戸時代に興った、日本の古典を実証的に読み解き、そこに固有の精神を見いだそうとする学問。儒教や仏教を通して古典を解釈する態度を「からごころ」として退け、『古事記』『万葉集』などの本文そのものに帰ることを説いた点に特色がある。僧契沖が『万葉集』の注釈で文献学的な方法を開き、荷田春満・賀茂真淵を経て、本居宣長が大成した。宣長は三十五年をかけて寛政10年(1798年)に『古事記伝』を完成させる一方、『源氏物語玉の小櫛』では、物語の本質は儒仏の教訓ではなく「もののあはれ」を知ることにあると説き、文学を道徳の手段から解き放った。のちに平田篤胤が神道の側面を強め、その思想は幕末の尊王攘夷運動へも及んでいる。国学が積み上げた古典の校訂と注釈は明治以降の国文学研究の土台となり、柳田国男・折口信夫の民俗学にもその学統は流れこんだ。文学を政治や道徳の道具としてではなく、それ自体の美として見る宣長の姿勢は、近代の文学観にも遠く響いている。

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