能楽論とは

分類
その他
読み
のうがくろん

能役者が能の芸の心得や稽古の方法を、子孫や弟子のために書き記した伝書の総称。世阿弥が亡き父観阿弥の教えと自らの工夫をまとめた『風姿花伝』(15世紀初め)が最初にして最大のもので、七編から成る。年齢に応じた稽古のあり方、役の演じ方、観客への心得を説き、中心に「花」の理念を置く。花とは、見る人の心に珍しい、おもしろいという感動を呼びおこすものであり、若さの一時の花と、工夫を積んで得る「まことの花」とを分けて考える。「秘すれば花」はここから出た言葉である。世阿弥はのちにも、芸の位や稽古を論じた『至花道』、二十年ほどの工夫を集成して「初心忘るべからず」の一句を説いた『花鏡』(応永31年・1424年)や、晩年の芸談を記した『世子六十以後申楽談儀』などの伝書を残し、現存するものは二十余りにのぼる。これらは家の芸を伝えるための秘伝であり、長く一般には知られず、『風姿花伝』は明治42年(1909年)に吉田東伍が校註して公刊してから、広く読まれるようになった。日本最古級の芸術論とされている。

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