毎月抄とは

分類
形式・ジャンル
読み
まいげつしょう

藤原定家の著とされる歌論書。1巻。承久元年(1219年)7月2日の日付をもつ返書の形をとり、毎月百首の歌を送って批評を求めてきた人に答えた手紙として書かれている。書名は「毎月の御百首」で始まる書き出しによるもので、『定家卿消息』『和歌庭訓』などの別名もある。宛先を衣笠家良とする伝えもあるが、確かではない。内容は、たゆまず多くの歌を詠む稽古の大切さから説き起こし、幽玄様・長高様・有心様など和歌の十の体(十体)を挙げて、有心体をそのいずれにも通じる最も大切な体とする。さらに心と詞の関係、秀逸体、本歌取りや題詠の心得、歌の病にまで及び、定家の歌論を伝える書のなかで最も内容が充実したものと評されてきた。ただし、定家の真作かどうかには古くから議論がある。定家の曾孫の冷泉為秀の自筆本を写したとされる写本が冷泉家に伝わることなどから真作とみる説が有力とされてきた一方、近年は14世紀初めごろに定家に仮託して作られた偽書とみる研究もあり、結論は出ていない。いずれにしても、本書は定家の歌論として中世以後に広く読まれ、有心を重んじる考え方は後の歌学や連歌論に大きな影響を与えた。

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