題詠とは

分類
文体・技法
読み
だいえい

あらかじめ決められた題に従って詩歌を作ること。また、その作品。和歌だけでなく、漢詩・連歌・俳諧などにも用いる。和歌では平安時代に歌合や屏風の絵に添える歌が盛んになり、四季の景物や恋などを題として詠む方法が広がった。実際に花を見たときだけ花の歌を詠むのではなく、与えられた題から情景や感情を構成するところに特徴がある。題には「花」「月」のようなもののほか、場所や時間、情景を組み合わせたものもある。『堀河百首』などの百首歌では、四季・恋・雑といった題を配列し、一定のまとまりとして詠作した。歌人には、その題について先行する歌が積み重ねてきた意味や情趣を理解し、それを踏まえて新しい表現を作る力が求められた。この伝統的な理解は題の本意と呼ばれ、歌論でも重んじられた。したがって、題詠の恋歌を、作者がその時に経験した恋愛の記録と直結させることはできない。一方で、決まった題を用いることが個人の感情を排除するわけでもなく、題の解釈や言葉の選び方に個性が表れる。同じ題で複数の歌を読み比べると、歌人ごとの着想や表現の違いが見えやすくなる。

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