宇治拾遺物語とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- うじしゅういものがたり
鎌倉時代前期、13世紀前半ごろに成立したとされる説話集。編者は未詳。序によれば、源隆国が編んだとされる『宇治大納言物語』に漏れた話を拾い集めたことが書名の由来という。全15巻、およそ200の説話を収め、「今は昔」で語りはじめて、仏教の霊験、貴族や僧の逸話、盗賊や庶民の笑い話、天竺・震旦の話までを、順序立てずに並べる。「こぶとり爺さん」「わらしべ長者」の原型にあたる話や、「舌切り雀」に通じる腰折れ雀の恩返しの話のほか、芥川龍之介が『鼻』『芋粥』や、燃える家を眺める絵仏師を描いた『地獄変』、猿沢の池の竜の騒ぎを語る『竜』の題材とした話も収められている。『今昔物語集』と共通する話も多いが、あちらが三国の仏教説話を体系的に集めるのに対し、こちらは話の面白さに重きを置く。簡潔で人間くさい語りは、欲や滑稽、愚かさを裁かずにそのまま見つめる。説話文学のなかでも読みやすく、近世以来多くの読者に親しまれ、現代でも教材として広く読まれている。