初出とは

分類
その他
読み
しょしゅつ

作品が最初に発表された雑誌・新聞・書物などの場所と時期をいう。近代の小説は、まず雑誌や新聞に載り、それが単行本にまとめられることが多かった。単行本にまとめられる際に、作者が改稿することが多く、初出と、のちの本とで本文が異なる作品が少なくない。夏目漱石の『こころ』は、大正3年(1914年)の朝日新聞への連載が初出で、連載時の題は「心 先生の遺書」だったが、同年に岩波書店から単行本が刊行される際に「上 先生と私」「中 両親と私」「下 先生と遺書」の三部に構成し直された。芥川龍之介の『羅生門』も、大正4年(1915年)の「帝国文学」の初出と、単行本に収めたときとで、結びの一文が書き改められている。作品の成立事情や、同時代の読者の受け止め方を知るうえで、初出の媒体の性格を知ることは欠かせない。新聞小説は一回ごとの区切りや挿絵を意識して書かれ、少年雑誌や婦人雑誌に載った作品は、その読者層を思い描いて書かれている。また、初出時には伏字や検閲による削除を受け、のちに復元された作品もある。このアプリでは、作品ごとに初出の雑誌・新聞を示している。

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