底本とは
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- その他
- 読み
- ていほん
文献を翻刻したり、校訂したり、訳したりする際に、もとにする本。同じ作品でも、版や刊行の時期によって本文が異なることがあり、どの本を底本とするかによって、読む文章が変わる。近代文学では、雑誌や新聞に載った初出、それを単行本にまとめた初版、作者が手を入れた改訂版、死後に編まれた全集などで本文が違うことが多く、作者の最終的な意図を示す版や、初出を基本にする方法など、目的に応じて底本を選ぶ。古典の場合は、作者の自筆本が残らないことがほとんどで、成立に近い時期の良質な写本を底本にする例が多い。たとえば『源氏物語』の現代の注釈書の多くは、藤原定家の系統の青表紙本、なかでも室町時代の写本である大島本を底本としている。底本以外の本は「対校本」と呼ばれ、本文の異同を確認する際に使われる。底本の誤りを他の本によって改めることもあり、その場合は注で断るのが原則である。青空文庫では、作品ごとの末尾に、底本の書名、出版社、刊行年や、底本の親本(底本がさらにもとにした本)を記し、どの本をもとに入力したかを明らかにしている。旧字か新字か、旧仮名か新仮名かといった表記も、底本に従って決まる。同じ作品でも、底本によって表記や本文が少しずつ異なることを知っておくと、引用や読み比べの際に役立つ。