新聞小説とは

分類
形式・ジャンル
読み
しんぶんしょうせつ

新聞紙上に連載される小説。明治期に日刊新聞が普及すると、各紙は読者を惹きつける目玉として競って小説を連載し、多くの作家がここを主要な発表の舞台とした。尾崎紅葉が「読売新聞」に連載した『金色夜叉』(明治30年〜)、徳冨蘆花が「国民新聞」に連載して空前の反響を呼んだ『不如帰』(明治31年〜)はその早い代表例である。夏目漱石は明治40年(1907年)に朝日新聞社へ入社して職業作家となり、『虞美人草』を皮切りに『三四郎』『それから』『門』『こゝろ』、絶筆『明暗』に至る主要な長編をすべて同紙に連載した。大衆文学の隆盛とともに新聞小説はいっそう盛んになり、中里介山が「都新聞」に書き継いだ大長編『大菩薩峠』(大正2年〜)、吉川英治が「朝日新聞」に連載して国民的人気を博した『宮本武蔵』(昭和10年〜)などが生まれた。毎回読者を引きつける工夫を求められる新聞小説は、家庭小説や時代小説といった通俗的な物語の温床となり、近代小説を広く大衆に行き渡らせる大きな役割を果たした。

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