冒険小説とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- ぼうけんしょうせつ
未知の土地への旅や漂流、探検、危険との闘いなどを主題とし、主人公の勇気と知恵による活躍を描く娯楽小説。デフォー『ロビンソン・クルーソー』(1719年)を源流の一つとし、19世紀にはスティーヴンソン『宝島』(1883年)やジュール・ヴェルヌの作品が広く読まれて、少年読者を中心に一大ジャンルとなった。日本では明治中期から翻訳・翻案によって紹介され、森田思軒がヴェルヌ『二年間の休暇』を英訳から訳した『十五少年』(明治29年)が評判を呼んだ。創作では、押川春浪が『海島冒険奇譚 海底軍艦』(明治33年)で、孤島で秘かに建造された海底戦闘艇をめぐる物語を描いて少年たちを熱狂させ、日本の冒険小説の先駆となった。春浪は博文館の雑誌「冒険世界」の主筆を務め、のちに「武侠世界」を興して冒険小説の舞台を広げている。昭和に入ると「少年倶楽部」などの少年雑誌で山中峯太郎や南洋一郎の作品が人気を集め、江戸川乱歩も南洋の孤島に漂着した少年たちの活躍を描く『新宝島』(昭和15年)をこの誌に連載した。海野十三『火星兵団』(昭和14年)のように科学小説と結びついた作品も多く、戦時下には国策に沿った軍事冒険ものも増えた。戦後の少年向けの読み物や、SF・アクション小説へとつながるジャンルである。
関連する用語
この用語に関わる作品
- 海島冒険奇譚 海底軍艦 1900年(明治33年)11月
- 火星兵団 1939年(昭和14年)9月
- 新宝島 1940年(昭和15年)4月