新宝島(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物
南洋の海洋冒険小説
- 冒険
- 文字数
- 99,618字
- 読了目安
- 約3時間19分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
江戸川乱歩が1940年(昭和15年)から翌年にかけて「少年倶楽部」に連載した、海洋冒険小説。三人の日本少年が、南洋の孤島に漂着し、次々と襲いくる困難を知恵と工夫で乗り越えてゆく。スティーブンソンの「宝島」やデフォーの「ロビンソン・クルーソー」に通じる冒険譚で、少年探偵団ものとは趣を異にする。戦時色を帯びた時代の産物でもある一編である。
あらすじ
三人の日本少年が、思いがけぬ運命から、南洋の大海原と孤島での冒険生活に投げこまれる。難破、漂流、無人島でのサバイバル——次々と襲いくる艱難を、少年たちは持ち前の智慧と工夫で、一つひとつ克服していく。物語の主眼は、この前半の、海洋と孤島における冒険と、百折不撓の精神にある。やがて三少年は、島の奥深くに、黄金にあふれた不思議な国——「黄金国」を発見する。作者・乱歩は序文で、この物語が昭和十五年に執筆されたこと、南方への関心の高まりや、当時の対米貿易・金の獲得をめぐる時代状況が、黄金境発見の空想に反映していることを率直に記している。物語の結末は、黄金国の王とともに三少年が故郷・日本に凱旋する、という戦時下ならではの高揚した空想で締めくくられる。少年探偵団ものとは趣を異にする、乱歩の海洋冒険小説であり、時代の空気を映す一編でもある。
登場人物
- 三人の日本少年 南洋で冒険する主人公たち
冒頭部(原文より)
この物語の主眼は寧ろ前半の、三少年の海洋と孤島に於ける冐険生活にある。次々と襲い来る艱難を、少年の智慧と工夫によって一つ一つ克服して行く、百折不倒の精神にある。そういう点で、この物語がいくらかでも年少読者の精神を鼓舞するの資たるを得ば、作者の幸これに過ぎぬものである。
「新宝島」江戸川乱歩(青空文庫)
末尾部(原文より)
みなさん、想像してごらんなさい。故郷に錦をかざるどころか、故郷に黄金をかざる三人の日本少年。黄金の衣裳をつけた王様のお供をして、自分たちもあのキラキラ光る鎧と兜を身につけて、横浜の桟橋に上陸する時の、また東京駅についた時の、そのさわぎを想像してごらんなさい。ほんとうに日本中がわきかえることでしょう。
「新宝島」江戸川乱歩(青空文庫)
原文を読む
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