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地球要塞(海野十三)のあらすじ・登場人物

地球は要塞となる日

  • SF
  • 冒険

海野十三 1940年(昭和15年)8月 「譚海」

文字数
71,814字
読了目安
約2時間24分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

1940年(昭和15年)8月号から翌年2月号にかけて雑誌「譚海」に連載された、海野十三の空想科学冒険小説。語り手は絶海の孤島クロクロ島で研究を続ける黒馬博士。ある夜、島のアンテナが金星人ブブ博士の奇怪な放送をとらえたことから、地球をめぐる国々と宇宙からの侵略者の暗闘に巻きこまれていく。超溶解弾、怪力線砲、四次元跳躍術など、当時の最先端の空想兵器が次々に飛び出す。

あらすじ

西暦1970年の夏、絶海の孤島クロクロ島にいた「私」(黒馬博士)は、助手のオルガ姫とともに、金星のブブ博士が発した「地球が化けた」という怪放送を傍受する。やがて島は米連艦隊の哨戒網に包まれ、見えない身体をもつ謎のX大使が現れる。島に住む同志たちは落下傘で脱出を試みるが、怪力線砲の火線が飛び交い、島は激戦の渦中に入る。さらにクロクロ島そのものが海上から消え失せる怪異が起こり、大使の正体は四次元の世界の生物らしいと明らかになってゆく。米連艦隊と欧亜の空軍が戦うなか、日本は海底に隠れた要塞で反撃の備えをととのえ、X大使は敗北を認めて去っていく。だが戦争は宇宙へと広がる予感を残して幕を閉じる。

登場人物

冒頭部(原文より)

怪放送――お化け地球事件とは?  西暦一九七〇年の夏――  折から私は、助手のオルガ姫をつれて、絶海の孤島クロクロ島にいた。  クロクロ島――というのは、いくら地図をさがしても、決して見つからないであろう。  クロクロ島の名を知っている者は、この広い世界中に、まず五人といないであろう。クロクロ島は、その当時、西経三十三度、南緯三十一度のところに、静かに横たわっていた。

「地球要塞」海野十三(青空文庫)

末尾部(原文より)

 私は、久慈たちが、どこにいっていたかを、悟るところがあった。彼等もまた、X大使のために、四次元世界に放りこまれていたのにちがいない。そして大使はこのクロクロ島を去ると共に、久慈たちをもとの場所にかえしてよこしたのに相違ない。  私は、久慈たちが、落着を取戻して、仔細を物語ってくれるのを待つことにした。  今クロクロ島は、森閑としずまりかえり、只久慈たちの吐息だけが、大きく聞えている。このとき私は、わが地球が、近き将来、金星に向って喰うか喰われるかの大宇宙戦争を開始すべく運命づけられていることを、はっきり胸にきざみつけられた次第である。  日本要塞の武装が、やがて更に発展して全世界に拡がり、「地球要塞」となる日も、決して遠い将来ではないであろう。いや、金星のブブ博士は、今より三十年後には、地球が一大要塞化することを見極めて報告していたではないか。地球上の戦争は果てても、戦争は更に宇宙へ向って延長し、戦争の果てる時は遂に永遠に来ないであろう!

「地球要塞」海野十三(青空文庫)

原文を読む

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