科学小説とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- かがくしょうせつ
科学の知識や空想を土台に、未来社会や宇宙、発明、異星人などを描く小説。今日いう「SF(サイエンス・フィクション)」にあたり、明治期の押川春浪が海底を行く軍艦を描いた冒険譚『海底軍艦』(明治33年)でその先駆をなした。ジャンルとして本格的に確立したのは昭和初期で、逓信省の技師でもあった海野十三は、探偵雑誌「新青年」に『電気風呂の怪死事件』(昭和3年)で登場したのち、人工の音楽で人を操る未来都市を描いた『十八時の音楽浴』、火星人との戦いを描く少年向けの『火星兵団』など、科学的空想に満ちた作品を次々と発表して「日本SFの父」と呼ばれた。宮沢賢治が火山と献身を描いた童話『グスコーブドリの伝記』や、江戸川乱歩の少年向け作品もこの系譜に連なる。海野の作品は、戦後に活躍する手塚治虫や小松左京ら第一世代のSF作家たちを育て、日本SFの豊かな土壌となった。
関連する用語
この用語に関わる作品
- 海島冒険奇譚 海底軍艦 1900年(明治33年)11月
- 電気風呂の怪死事件 1928年(昭和3年)4月
- 十八時の音楽浴 1937年(昭和12年)4月
- 火星兵団 1939年(昭和14年)9月
- グスコーブドリの伝記 1932年(昭和7年)3月