象徴詩とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- しょうちょうし
19世紀後半のフランスに興った象徴主義(サンボリスム)の流れをくむ詩。感情や観念を直接に述べるのではなく、象徴となる事物の喚起力や言葉の音楽的な響きによって暗示的に表現する。日本へは上田敏の訳詩集『海潮音』(明治38年)が29人の詩人の57編を格調高い訳文で紹介して決定的な影響を与え、カール・ブッセ「山のあなた」やヴェルレーヌ「落葉」の名訳は今も広く愛誦されている。蒲原有明は『有明集』(明治41年)で日本語による象徴詩の一つの完成を示し、三木露風もこれに続いた。北原白秋は『邪宗門』(明治42年)で官能的な象徴詩の世界を開いた。永井荷風の訳詩集『珊瑚集』(大正2年)も耽美派の美意識と結びついてこの潮流を担い、昭和期に『測量船』を残した三好達治や、ランボー・ヴェルレーヌに傾倒して第一詩集『山羊の歌』(昭和9年)を出した中原中也まで、フランス象徴詩の影響は日本の近代詩に長く及んだ。