象徴主義とは

分類
文芸思潮
読み
しょうちょうしゅぎ

19世紀後半のフランスに起こり、世紀末から20世紀初めにかけてヨーロッパの文学・芸術に広がった思潮。サンボリスムとも言う。目に見える事物や言葉の響きを手がかりに、直接には言い表せない内面の気分や観念の世界を暗示しようとするもので、高踏派の客観的な詩や自然主義の再現的な描写への反発から生まれた。ボードレールが『悪の華』で示した、事物が互いに呼応して見えない世界を感じさせるという考えを先駆けとし、ヴェルレーヌ、ランボー、マラルメらが詩の音楽性と暗示の力を追究した。1886年にジャン・モレアスが「フィガロ」紙に宣言を発表して名称が広まったが、流派としての輪郭は緩やかで、ヴァレリーが一つの流派ではないと述べたように定義は難しいとされる。運動は詩にとどまらず、メーテルリンクの『ペレアスとメリザンド』などの演劇、モローやルドンの絵画、ドビュッシーの音楽にも及んだ。日本では上田敏の訳詩集『海潮音』(明治38年)の序が象徴という詩法を紹介し、蒲原有明の『有明集』(明治41年)や北原白秋の『邪宗門』(明治42年)などの象徴詩を生んだ。その後も永井荷風の訳詩集『珊瑚集』(大正2年)や、中原中也が訳した『ランボオ詩集』(昭和12年)などを通じて受容が続き、堀辰雄や梶井基次郎らの小説にも影響を与えたとされる。

関連する用語

この用語に関わる作品

この用語に関わる作家