捕物帳とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- とりものちょう
江戸を舞台に、岡っ引や与力が事件の謎を解く時代推理小説の形式。名は、江戸時代の町奉行所で捕らえるべき罪人と罪状を書き留めた帳簿に由来する。大正6年(1917年)に岡本綺堂が「文芸倶楽部」へ発表した『半七捕物帳 お文の魂』がその第一作で、綺堂は主人公の半七老人を「江戸時代に於ける隠れたシャアロック・ホームズ」と呼び、老人が若き日の探索を語って聞かせるという枠組みに江戸の風俗と人情を盛りこんだ。昭和6年(1931年)、野村胡堂が「オール讀物」創刊号から始めた『銭形平次捕物控』は投げ銭の名人・平次を主人公に国民的な人気を博し、昭和32年(1957年)まで書き継がれて三百八十三篇に及んだ。ほかにも佐々木味津三『右門捕物帖』、横溝正史『人形佐七捕物帳』、久生十蘭『顎十郎捕物帳』など多くの人気シリーズが生まれている。探偵小説と時代小説の双方の血を引く日本独自の形式として、大衆文学の大きな柱となり、映画・演劇・テレビの題材としても長く親しまれてきた。
関連する用語
この用語に関わる作品
- 半七捕物帳 お文の魂 1917年(大正6年)1月
- 半七捕物帳 石燈籠 1917年(大正6年)