筆名・雅号とは

分類
その他
読み
ひつめいがごう

本名とは別に、文章や作品を発表するときに用いる名。筆名はペンネームともいい、雅号は文人や画家などが風雅の心から名乗る名で、単に号ともいう。俳人の号は俳号と呼ばれる。中国では古くから文人が本名とは別に号を用い、日本でも詩文の世界では互いを号で呼び合う習わしが続いた。明治の文学者の多くも号で知られ、夏目漱石の本名は金之助、森鴎外は林太郎、正岡子規は常規である。漱石の号は、晋の孫楚が「石に枕し流れに漱ぐ」と言うべきところを「石に漱ぎ流れに枕す」と言い誤り、無理にこじつけたという「漱石枕流」の故事にちなむ。子規は明治22年(1889年)に喀血したのち、血を吐くまで鳴くとされるほととぎすの異名「子規」を号とした。二葉亭四迷は、回想『予が半生の懺悔』で、この筆名が「くたばつて仕舞へ」をもじったものだと記している。江戸川乱歩はエドガー・アラン・ポーの名にちなみ、山本周五郎は奉公先で恩を受けた質店の名を筆名とし、小川未明は師の坪内逍遥から号を与えられた。大正以降は、芥川龍之介や谷崎潤一郎のように本名で書く作家もふえたが、太宰治(本名・津島修治)のように筆名で知られる作家も多い。

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