戯作とは

分類
形式・ジャンル
読み
げさく

江戸時代後期、18世紀後半から江戸を中心に栄えた遊戯的・通俗的な読み物の総称。知識人が余技の「戯れ」として書いたことに由来する呼び名で、遊里を描く洒落本、笑いを主とする滑稽本、恋愛を描く人情本、伝奇的な読本、絵入りの黄表紙・合巻などの諸ジャンルを含む。十返舎一九『東海道中膝栗毛』、式亭三馬『浮世風呂』、読本の曲亭馬琴『南総里見八犬伝』などが代表作。明治に入っても仮名垣魯文が『安愚楽鍋』で文明開化の世相を戯作の様式で風刺するなど命脈を保ったが、坪内逍遥が『小説神髄』でその勧善懲悪主義を批判したことを境に、近代小説へと主役を譲った。芥川龍之介の『戯作三昧』は晩年の馬琴を主人公にこの世界を描いた作品であり、魯文に師事して江戸戯作の伝統を近代に受け継いだ斎藤緑雨や、敗戦後に「新戯作派」と呼ばれた無頼派の作家たちにも、その精神は流れ込んでいる。

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