洒落本とは

分類
形式・ジャンル
読み
しゃれぼん

江戸時代中期の戯作の一つで、遊廓などの遊所での遊びを、客と遊女の会話を中心に描いた小冊子。宝暦7年(1757年)の『異素六帖』などの先駆を経て、『遊子方言』(明和7年・1770年)で形が整い、天明期(1780年代)の前後に最盛期を迎えた。遊里の作法に通じた粋な「通」と、野暮な客との対比を軸にして、人情や風俗の細部をうがち、洒落た会話の写実で読ませた。吉原をはじめとする遊里の流行や言葉づかいを写す、風俗の記録としての面も持っている。寛政の改革では風俗を乱すものとして取り締まられ、寛政3年(1791年)には山東京伝が洒落本の作で処罰されて手鎖50日となり、版元の蔦屋重三郎も財産の半分を没収される身上半減の処分を受けた。洒落本はそのため一時姿を消し、のち復活したが、やがて遊里を離れた滑稽本や、恋愛を描く人情本が主流となっていく。会話を主として場面を写し取るその書き方は、これらの後の戯作に受け継がれた。

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