人情本とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- にんじょうぼん
江戸時代後期、文政年間(1818〜30年)から天保期にかけて盛んだった、庶民の恋愛を主題とする読み物。遊里の客のうがちを主とした洒落本のあとを受け、町人の男女の恋の悩みや嫉妬、義理と情けを、会話の多い文で描いた。読者には女性が多かった。文政2年(1819年)に十返舎一九が校合して出版した『清談峯初花』を最初とするのが一般的で、同じころ刊行の始まった滝亭鯉丈・為永春水の合作『明烏後正夢』とともに人情本の嚆矢とされる。為永春水の『春色梅児誉美』(天保3〜4年・1832〜33年)は、美男の若旦那・丹次郎をめぐる恋のもつれを描いた代表作で、続編の『春色辰巳園』などとともに人気を集め、春水は序文で自らを「江戸人情本元祖」と称した。天保の改革では風俗を乱すものとして取り締まりを受け、春水は手鎖50日の処罰を受けた。明治初年まで読み継がれたが、その後は近代小説に主役を譲っていった。
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- 春色梅児誉美 1832年1月