栄花物語とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- えいがものがたり
平安時代後期に成立した歴史物語で、仮名で書かれた編年体の歴史書として最も古い。「栄華物語」とも書く。全四十巻のうち、前半の三十巻(正編)は宇多天皇の代から書き起こし、藤原道長の栄華とその死に至る時代を中心に描いて、11世紀前半の長元年間(1028〜37年)ごろに成ったとみられる。後半の十巻(続編)は、そのあとの時代を扱って堀河天皇の寛治6年(1092年)にまで及び、別の作者の手になる。正編の作者は道長の妻倫子に仕えた赤染衛門とする説が有力で、続編は出羽弁らの作とする説があるが、いずれも確定してはいない。宮廷の儀式や行事、后や女房たちの生活を、年月の順に細かく記すのが特徴で、「物語」の名のとおり優美な和文で綴られている。「月の宴」「はつはな」のような雅やかな巻名や、場面の描き方には『源氏物語』の影響が強く、女房の手による記録や日記も素材にしたと考えられている。『大鏡』が歴史上の人物を批判的な目で語る問答の形をとるのに対し、『栄花物語』は道長を理想化して、その栄華を讃える立場をとる。仮名で歴史を物語るその方法は、のちの歴史物語に大きな影響を与えた。