万葉調・古今調・新古今調とは
- 分類
- その他
- 読み
- まんようちょうこきんちょうしんこきんちょう
『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』の三つの歌集にそれぞれ特徴的な歌のよみぶりや調べを指す呼び名で、和歌史を代表する三つの様式として対比される。万葉調は、暮らしの中の素朴な感動や実感を率直に表し、おおらかで力強い格調をもつ。五七調が主で、短歌では二句切れ・四句切れが多い。古今調は、感動をそのまま述べずに理知的にとらえ直し、掛詞・縁語・見立てなどの技巧を用いて優美・繊細に表す。七五調が中心となり、三句切れが多い。新古今調は、本歌取りによって古典の世界を呼び起こし、幽玄・余情を重んじて絵画的・象徴的な歌境を描く。初句切れ・三句切れや体言止めが多い。古今調の優雅な歌いぶりが長く歌壇の主流となるなかで、万葉調の歌は鎌倉時代の源実朝や江戸時代の賀茂真淵・良寛らに詠まれ、真淵は万葉調を「ますらをぶり」、古今調を「たをやめぶり」と呼んだ。明治31年(1898年)、正岡子規は『歌よみに与ふる書』で実朝を第一流の歌人とたたえ、続く『再び歌よみに与ふる書』を「貫之は下手な歌よみにて『古今集』はくだらぬ集に有之候」と書き起こした。同じ文で子規は『新古今』を『古今』よりやや優れるとも述べている。子規の後、伊藤左千夫・島木赤彦・斎藤茂吉らアララギ派の歌人が万葉調の歌風で歌壇の大きな勢力となり、茂吉は『万葉秀歌』(昭和13年)で万葉の歌を読み解いた。
関連する用語
この用語に関わる作品
- 歌よみに与ふる書 1898年(明治31年)2月
- 再び歌よみに与ふる書 1898年(明治31年)2月
- 万葉秀歌 1938年(昭和13年)11月