変体仮名とは
- 分類
- 文体・技法
- 読み
- へんたいがな
現在使われている平仮名とは別の字形の平仮名。平仮名は、万葉仮名として使われた漢字の草書体をさらに崩して成立したため、同じ音を表すにも、元となる漢字が異なる複数の字形があり、これらがかつては併用されていた。たとえば「は」には「波」「者」「盤」など、さまざまな字源の形があった。書き手は、文字の続け具合や紙面の美しさ、語の区切りを考えて字形を使い分け、和歌の懐紙や手紙では、同じ音でも字形を変えて変化をつけることが好まれた。明治33年(1900年)の小学校令施行規則で、小学校で教える仮名が一音一字に整理され、それ以外の字形は日常で使われなくなって、「変体仮名」と呼ばれるようになった。それでも明治の書物や新聞、手紙には変体仮名が多く残り、樋口一葉の原稿や日記なども変体仮名を交えて書かれている。現在でも、そば屋の看板(「生そば」の「そ」や「ば」)や、古い書物の写本、版本などで見かける。平成29年(2017年)には、文字コードの国際規格であるUnicodeに三百字近い変体仮名が収録され、コンピューターでも扱えるようになった。古典の原文を読むには、変体仮名を読めることが必要になり、くずし字の学習の基本ともなっている。