掌編小説とは

分類
形式・ジャンル
読み
しょうへんしょうせつ

短編小説よりさらに短い小説。てのひらに載るほどの小説という意味で、「てのひらの小説」ともいい、原稿用紙で数枚から十枚ほどのものを指すことが多い。日本では大正末から昭和初めにかけて、フランスの「コント」の影響も受けながら、数枚ほどの短い小説が若い作家たちによって盛んに書かれた。その代表が川端康成で、大正末から四十年以上にわたってこの形式の作品を書き継ぎ、のちに『掌の小説』としてまとめられた(新潮文庫版は122編を収める)。一つの場面や情景、ひとつの気づきを切り取り、筋を説明しきらずに余韻を残すところに特色がある。収録作では、梶井基次郎『桜の樹の下には』(昭和3年)、太宰治『満願』(昭和13年)や『待つ』(昭和17年)、江戸川乱歩『白昼夢』(大正14年)などが、わずかな枚数に一つの世界を凝縮した掌編である。戦後には、奇抜な着想と意外な結末を重んじる「ショートショート」の呼び名が広まり、星新一がこの形式を代表する作家となった。山川方夫もショートショートの書き手として知られる。

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