散文詩とは

分類
形式・ジャンル
読み
さんぶんし

通常の文章のような散文形式で書かれた詩。一定の音数や押韻に従わず、一般には詩行に分けずに文や段落を連ねながら、比喩や象徴、言葉の反復などによって詩的な表現を生み出す。定型を持たない点では自由詩と共通するが、行分けを用いる自由詩に対して、散文の外形をとることが目安になる。ただし、散文であることは、言葉の響きや内的なリズムを欠くことを意味しない。十九世紀フランスでは、ベルトランの『夜のガスパール』を先駆として、ボードレールの『パリの憂鬱』がこの形式の展開に大きな役割を果たし、ランボーらも独自の散文詩を残した。日本では萩原朔太郎や三好達治が試み、昭和初期には「詩と詩論」を中心とする詩人たちの活動とも結びついた。朔太郎の『宿命』(昭和14年)は、その実作と考え方をともに読める一冊である。序の「散文詩について」では、散文形式のなかに音楽的な調べを認め、思想的・哲学的な内容にも注目している。美しい散文をすべて散文詩と呼ぶのではなく、散文という形式によって詩を成立させる表現として捉える用語である。

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